覗くぞ、天女観察。�� ページ17
※伊作side
天女が素直に仕事をしに行った、と聞いてすごく驚いた。
前の天女はすぐにボロを出していたのに、あの子はまだ猫をかぶっているとは。
「では言った通りに頼むぞ。くれぐれも不運には気をつけろよ、伊作」
「あはは…仙蔵は心配性だなぁ」
手はずはこうだ。
まず、僕と留三郎が天井裏から食堂の様子を観察する。
天女に動きがあれば、留三郎を介して仙蔵へ報告。
天女が部屋に戻ったら頃合いを見て、再度仙蔵が接触し、それとなく外出に誘う。
これで天女の化けの皮を剥ごうというわけだ。
彼女が仕事を放棄したなら、彼女は間違いなく"黒"。
僕たちは心置きなく始末できる。
僕たちだって、証拠が出ないと多少の後ろめたさは感じるのだ。
念のため、万が一のため、というわけだ。
まあ、遅くても明日の夜には始末するけど。
後輩たちになにかあってからじゃ遅いしね。
素早く食堂の天井裏へと移動する。
『！来た、天女だ』
留三郎が矢羽根を飛ばす。
なにを言っているかはよく聞こえないが、顔は見える。
なんというか、僕が言うのもなんだけど……。
『なんか、アホヅラだな』
『僕も思ってた』
しばらく観察を続けるが、特に目立った動きは無い。
２年生が２人、食堂にやってきた。
するとその時。
「！！？」
天女が２人に話しかけた。
わざわざ調理場の奥から顔を出して、笑顔でなにかを言っている。
当然、彼らはランチだけ受け取ってすぐさま遠くの席に逃げていく。
と、天女はしばらく突っ立っていたが、やがて手伝いが終わったのか、食堂から出ていった。
『留三郎、仙蔵に連絡お願い！僕は２人に話を聞くよ』
『ああ、わかった！』
天女からなにか酷いことを言われたのだろうか。
そうでなくとも、怯えさせてしまったのは事実だ。
早く安心させてあげなくちゃ！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まんじゅうDX - うぉぉああ！！ギャグセンスたかいやっちゃぁぁぁぁあ！！あんがとーございます！！更新応援してます！！ (2022年8月12日 0時) (
レス) @page4 id: b43443e8a9 (このIDを非表示/違反報告)
サーモニウム - 夢少女リノさん、コメントありがとうございます！そう言っていただけると、とても嬉しいです！頑張りますね (2017年12月20日 16時) (レス) id: aaf59d6c16 (このIDを非表示/違反報告)
夢少女リノ - 頑張ってくださいね！気長に待ちます！ (2017年12月20日 6時) (レス) id: 6dd2466465 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サーモニウム | 作成日時：2017年12月20日 0時
