消すぞ、天女暗殺。 ページ38
※八左ヱ門side
ついに、この時がやってきた。
俺はせめてあの子の最後を見届けてやりたくて、天井裏に潜むことにした。
立花先輩はいつも通りの口調で、邪魔はするなよ、とだけいった。
天井裏には食満先輩と善法寺先輩もいた。
２人も同じことを考えているようだ。
「…………」
音も無く、立花先輩が部屋に入ってくる。
手には苦無を持って。
――今すぐにでも飛び出して、止めたい。
そんな気持ちを必死に押さえつける。
隣にいる先輩たちだって我慢しているんだ。
立花先輩が苦無を振り上げる。
苦しまないように殺してやろうという意思の表れだろう。
さようなら、福中さん。
「……………………？！」
様子がおかしい。
いつまで経っても首が切られない。
立花先輩に限って、まさか今更…なんてことはないだろう。
目を凝らして見てみると、立花先輩は何かに刃を弾き返されているようだった。
しかし、部屋には福中さんと立花先輩以外は誰もいない。
それなのに、何度も、何度も阻まれる。
「見えない、なにか」
それは前の天女を彷彿とさせるものだった。
見えない攻撃に倒れる七松先輩と平が。
見たこともないような顔で泣く綾部が。
脳裏に浮かんでは消えていった。
これはまずい。
立花先輩も察したのだろう。
こちらに『退くぞ』と矢羽音を飛ばし、退散した。
「信じてたんだけどな…」
残念そうな先輩の声が闇に溶けていく。
天女は相変わらずのんきな顔で寝息をたてていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まんじゅうDX - うぉぉああ！！ギャグセンスたかいやっちゃぁぁぁぁあ！！あんがとーございます！！更新応援してます！！ (2022年8月12日 0時) (
レス) @page4 id: b43443e8a9 (このIDを非表示/違反報告)
サーモニウム - 夢少女リノさん、コメントありがとうございます！そう言っていただけると、とても嬉しいです！頑張りますね (2017年12月20日 16時) (レス) id: aaf59d6c16 (このIDを非表示/違反報告)
夢少女リノ - 頑張ってくださいね！気長に待ちます！ (2017年12月20日 6時) (レス) id: 6dd2466465 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サーモニウム | 作成日時：2017年12月20日 0時
