太陽 と 彼 *° Yuta.K

@2 ページ2

･





｢ A 、大事な話が あるの 。｣






お母さんに そう呼び止められたのは

7月の 熱帯夜だった 。






その時 、いつものお母さんと

どこか 雰囲気が 違っていた 。





なんだろ 、離婚 かなぁ？


親同士 、特別 仲良しなわけでも
ないから 、そうかなぁー なんて
バカにしながら予想していた。






｢ あー 、重苦しい話 、パス 。｣



なんでもいいよ 、好きにすれば？




怠そうに そう言って 、

面倒くさい 長い話が大の苦手な私は

お母さんに 目すら向けず

自分の部屋に入った 。





･







このとき 、聞かなかったのが

バカだったんだろう 。






･







翌日の朝 、学校に行こうとすると

また お母さんに 呼び止められた 。

そして、今度は お父さんと弟 付き 。






｢ お姉ちゃん 、あのね 。｣




この日の海人は

妙に 目がキラキラしていて 違和感を感じた 。




･





｢ カイたち 、引っ越すんだよ！｣






もともと 羨ましいぐらい

海人は 目がパッチリしているが

その目を 更に大きくさせて

私に 言ってきた 。





｢ ...は ？え 、待って待って。は？｣







瞼が疲れるぐらい 瞬きを繰り返した私には

引越し 、の 現実味が 全く沸かなかった 。


なんのドッキリよ。

タチ悪いよ 、家族でグルだなんて。




｢ 引越し 、って なにそれ？聞いてないけど！｣



｢ 昨日云おうとしたのよ。

なのに 聞かないから。｣






... 昨日のやつ 、引越しの話！？







･






そんな 大事な話なら

無理矢理にでも 引き止めてくれればいいのに。







･





引越しの提案をされてから 数週間 。





そして 気がついたら


あっという間に


引越しの日に


なっていた 。






･

＠3→←@1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す