§２２７§ ページ30
風介)A〜！
貴)何、風介？
風介)試合、出られる事になったの？
貴)うん！
普段通り、無表情なのに声だけは嬉しそうに答えるA。
安心する。
晴矢)勝てんのかよw
馬鹿にした笑いを浮かべて風介の隣に晴矢が来る。
貴)勝てるもん！
照美)確率は？
さっき飲んでいたドリンクをベンチに置いて照美が聞く。
貴)100%…と言いたいところだけど、残念。
10%位だよ。
照美)負けるじゃんwww
貴)僕が出るんだよ？
なめないでよねwww
照美)僕だって進化してるんだって、さっき言ったでしょ？
貴)そういう問題じゃないの！
僕の問題なの！
照美だけじゃないんだからね？
進化してるのは。
Aはそう言って、手を振りながらベンチに行った。
貴)…。
確かに、照美は侮れない。
でも、今回は不動がいる。
僕もいる。
問題は他の皆だ。
皆が信用してくれるかどうかなんだ。
不動がどんなに嫌な態度を取ったとしてもイナズマジャパンのチームメイトとして信用してくれないと、誰も不動の素早い的確なパスを取る事は出来ない…。
僕は、ベンチに戻った時に守にぃに怒られた。
守)お前はこっちのチームだろ！
貴)あはは…。
無理矢理に苦笑してごまかし、皆の顔を見るが、その顔も複雑そうだった。
風丸も同じく。
ヒロトでさえも、いつもの笑顔が消えている。
何で、信じてくれないの…？
僕、今にも泣きそうだよ？
信じてくれないのは嫌だよ？
チームメイトを信じれないなんてチームじゃない。
それが良く分かっているから、僕は不動にも普通に接して隔たりを無くしたかったんだけど…。
全く不動も皆も…馬鹿じゃないの？
そして、後半が始まろうとしている。
憂鬱な気持ちのまま、僕はピッチに出た。
実況)現在、鬼道は治療中です。
此処でイナズマジャパン、緑川に代わって今大会初出場となる不動明王、そして鬼道に代わって椎名Aを入れてきました。
2対1で韓国優勢！
大切な司令塔を失ったイナズマジャパン、一体どんな秘策が！
久遠監督の采配に注目です！
不動がど真ん中で首を鳴らしているので、僕は頑張って服を引っ張るのだが、そこから動く気配はない。
貴)不動ってば！
不動)良いんだよ。((ドンッ
急に押されて尻餅をつく。
貴)うぅ…。
そう言う事するから…。
僕がこんなに苦労するんだよぉ…。
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作者名：紫音
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shionn/
作成日時：2014年4月20日 21時
