円堂守と従兄妹の少女は、皆に期待を寄せ始めている様です。 【イナイレ】

§１９２§ ページ45

守にぃが部屋を出てくる気配がしたので、僕は隠れて、守にぃの後を尾けた。


守にぃは、グラウンドの真ん中に立って、空を見上げていた。


守)豪炎寺…。


＝次の日＝


豪炎寺と虎丸の連携必殺技は完成の目処が全然立たないまま、練習は終了した。


あれほど、試合に影響が出ない様にしてねって言ったのに…。


こんなんじゃ、照美に潰されちゃうよ。


それに、豪炎寺だけが早とちりしちゃって、虎丸が怒鳴られているなんて…。


貴)虎丸は悪くないよ。
でも、もう少しだから頑張ってね。


僕は、休憩中に虎丸を励ましておいた。


虎丸)でも…。
俺の蹴りが弱かったから、豪炎寺さんのシュートに負けてしまって、軌道が曲がってしまうなんて…。
俺の責任です！


貴)良いから。
別に急がないで、そんなに急に連携必殺技が出来たら苦労しないから。
だけど、怪我はしないでね。


虎丸)…Aさんみたいに、何でも出来ちゃう人には…分からないんですよ！
俺がどんなに頑張っているかなんて！！


虎丸は吐き捨てる様に、僕の目の前でそう言った。


貴)…っ！((ビクッ
そ、そんな事無いよ…。((ポロポロ…
ほら、虎丸…ファイ…トー！((泣
頑張って…。((タタタッ


僕は、グラウンドから飛び出して学校を出て行った。


虎丸)((ハッ Aさん！


飛鷹が、追いかけようとする虎丸のユニフォームを掴み上げて言った。


飛鷹)…お前っ！
Aさんが何でもできるだなんて、どうしてそんな事っっ！
努力しないで、あんなすごい技が出せると言ってるのか？
おい！


ケンカがはじまりそうな 雰囲気を慌てて皆が止める。


守)止めろ、飛鷹！


鬼道)虎丸！
お前も言いすぎだ！


豪炎寺)…。


そして、夕方…。


僕は悲しくて、悔しくて、泣きながら走って気がついたら、鉄塔に来ていた。


嬉しい時も、悲しい時も、どんな時でも鉄塔に来ると落ち着いた。


ベンチに座って、息を整える。


《ライ)大丈夫か？》


貴)大丈夫だったら、僕…走ってないよ。
今、虎丸の前で泣いちゃった…。
泣かない様に気を付けてたのに…。


しばらくして、守にぃが来た。


守)A…。
大丈夫か？


貴)へ…？
何が？((ニコッ


守)虎丸の事だよ。
嫌な事言われたんだろ？


貴)何の事かな？
大丈夫だよ。((ニコッ


守にぃは悲痛な顔をした。


その様子からすると、虎丸の声は守にぃの所まで届いていたんだね。


＊−＊−＊−＊−＊−＊−＊−＊−＊−＊−＊−＊−＊


次へどうぞ→

§１９３§→←§１９１§

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す