円堂守と従兄妹の少女は、皆に期待を寄せ始めている様です。 【イナイレ】

§１８６§ ページ39

貴)ルイとライは何でそっちにいるの？
お母さんとこへ一緒に行こうよ。
紹介するよ。
僕の大切な友達だって！


僕はライ達の方へ行って、そう言った。


ギュ…


次にルイに抱きしめられた。


ルイ)忘れたの？
Aのお母さんとお父さんは死んだんだよ。
いつまで現実から離れてるの？
いつまで引きずってるの？


ライ)そうだぞ。


横からライが口添えする。


貴)でも、あそこに…！
お父さんとお母さんが…。


僕が振り向くと、両親は笑って手を振っていた。


驚いたのは、その体が足の方から透けてっている事だった。


貴)何で…。


やっと…、やっと会えたのに…。


また触れるかもしれないのに…。


ルイに抱きつかれたままで、全く僕の体は動かない。


貴)止めて！


ルイ)Aっ！
よく聞いて。
Aには僕達がいる！
僕は、すぐには会えないけど、僕がいなくてもライがいる！
両親たちはもういないんだ！


貴)でもっ、でもっ！


ライ)お前の悲しみなんて、俺が埋めてやる！
俺が助けてやる！
ルイみたいに慎重に出来ないかもしれないし、お前にこの前無茶させた事もあった！
でも、また俺を頼れ！
お前は1人じゃない！


貴)っ！


僕はジタバタするのをやめた。


お父さんとお母さんが消えるのをこの眼で見てしまった所為もあるが、ライとルイの言葉に我に帰ったからかもしれない。


貴)…。


ルイ)顔を上げて！
Aには笑顔が似合うよ。


ライ)それにしてもお前の執念は凄いな〜…。
此処まで来ても両親の事思ってるなんて…。


ルイ)じゃあ何？
今意識の回復してないライの事を両親は思ってないと言うのかい？


ライ)え、思ってないのか？


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