円堂守と従兄妹の少女は、皆に期待を寄せ始めている様です。 【イナイレ】

§１８２§ ページ35

貴)五月蝿いな。
僕はキスなんかじゃ動じないよ。
それにそんな触れるだけのキスじゃ、本気じゃないと言う事くらいすぐに分かる。
伊達に外国で暮らしてないからね。


豪炎寺)まぁ、確かにさっきのは、本気じゃなかったな。


豪炎寺は僕の上から起き上がり、僕は乱れたジャージを整え、髪の毛をいじった。


貴)それよりも、僕は帰りたいんだが…。
これ以上此処にいると、何をされるか分からないからな。


僕は呆れてものも言えないと言う様なジェスチャーをする。


豪炎寺が笑った。


豪炎寺)((クスッ じゃあ、そこまで送っておくよ。
一応、襲われやすいと言う事が分かったからな。


貴)て、テストだったのか！
う〜わ、抵抗すれば良かった。


豪炎寺)まぁ、知らない奴なら抵抗するだろうが、心配だからな。


貴)僕はそこまでやわじゃないし。


豪炎寺)さ、行くぞ。


貴)うん。


豪炎寺父)こんな時間から何処へ行く。←


豪炎寺)Aを送ってくんだ。
別に良いでしょう。


豪炎寺父)((チッ←


｜帰り道｜


貴)あの人の感じの悪さ変わってないな…。
理由があるとはいえ、自分の意思をはっきり伝えないとダメだよ？


豪炎寺)でも、以前から言われてたんだ。
DNAがどうのこうのってな。


僕は、イライラした。


貴)そんなの関係ない！
豪炎寺は、豪炎寺だよ！
何で、お父さんに縛られなくちゃいけないの？
おかしい！


豪炎寺は寂しそうに言った。


豪炎寺)仕方ないんだ。


貴)仕方ないで、諦めるんだ。
ふうん、僕豪炎寺を見損なったかもしれない。
いや、過大評価していたのかもしれないね。
僕は豪炎寺がお父さんの気持ちじゃなくて自分の気持ちだけで行動する奴だと思ってた。
それだったら、さっき抵抗すれば良かった。
見送りは此処までで良いよ。((ゴシゴシ


僕はジャージの袖で、唇を擦った。


貴)信じられない。
そんな覚悟のない奴のキスなんか、受けなきゃ良かった。((ゴシゴシ


唇が切れて、血が出る。


僕は、袖に着いたその血を眺めて言った。


貴)馬鹿豪炎寺。


そして、走って河川敷に行った。


河川敷の川べりまで言って、川の水で口を洗う。


貴)いたっ…。


切れた所に水が触れて痛みが走る。


後悔はしていない。


むしろ僕は正直な事を言っていると思っている。


良い方はきつかったかもしれないけどね。


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