第8話 ページ9
フットボールフロンティアが開催された。
雷門中と野生中の試合から数日が経ち、私と有人君は影山総帥と一緒に御影専農中に来ていた。
｢試合が終了しました。シミュレーションのデータを保存してください。
試合が終了しました。シミュレーションのデータを保存してください。｣
【勝利 99.9% 確率】
富山｢へへへ…素晴らしいでしょ、総帥。我が校の誇る、コンピューターシステムで管理されたサッカー選手達は。｣
影山｢なるほど。プログラムデータ入りとはいえ、よく仕上がっている。｣
富山｢このプログラムデータは、相手チームを完全に分析しているのですよ。サッカーサイボーグとも呼べるこの選手達が、本番でも完璧な勝利をお見せするでしょう。｣
影山｢勝利だと？雷門を潰すなど、勝利のうちに入らん。ただの害虫駆除作業だ。｣
A｢…｣
私は、御影専農中の選手達を見た。
次の日、私と有人君は、再び御影専農中に来ていた。
鬼道｢よぉ、サッカーサイボーグ。｣
A｢君達は、雷門の偵察に行かないの？｣
下鶴｢帝国の鬼道姉弟。｣
杉森｢時間の無駄だ。我々は既に、雷門のデータに勝っている。｣
鬼道｢ふっ、シミュレーションは完璧というわけか。だが、所詮はデータの再現にすぎないな。お前達の持ってないデータを提供しよう。｣
杉森｢目的はなんだ？｣
鬼道｢確実に雷門を潰してほしいだけだ。
とにかく奴らは普通じゃない。奴らは、バカなんだ。｣
下鶴｢バカ？｣
杉森｢それがデータか？｣
鬼道｢あぁ。実は俺も上手い説明が見つからない。自分の目で確かめることを勧める。｣
有人君は歩き出し、すぐに立ち止まった。
鬼道｢そうだ。GKの円堂守、奴はとびっきりの大バカだ。｣
そう言うと、また歩き出した。
A｢ねぇ、サッカー楽しい？｣
私は、下鶴君と杉森君を見た。
下鶴｢楽しい？｣
杉森｢理解不能だ。｣
A｢有人君が大バカって言った円堂君ね、サッカーが楽しくて仕方ないって感じの子なんだ！だから円堂君と試合すれば、きっと2人もその気持ちが分かると思うよ！｣
私は2人に笑いかけて、有人君を追いかけた。
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年9月27日 21時
