第13話 ページ14
雷門との決勝戦が迫ってきた。
佐･寺･洞｢デスゾーン！！！｣
源田｢前よりキレが出てきたな、デスゾーン。｣
鬼道｢…｣
源田｢鬼道？｣
鬼道｢…あぁ。｣
A｢どうしたの？どこか体調悪い？｣
鬼道｢いや、何でもない。もう一度だ！｣
A｢…｣
練習後、有人君は1人でボールを蹴っていた。
私は、有人君を横目で見て、家に帰った。
父｢有人！｣
お父さんの声がして、私は部屋から顔を出した。
A｢どうしたの？お父さん。｣
父｢いや、何でもない。｣
お父さんはそう言って、誰かに電話をかけた。
しばらくすると、影山総帥が来た。
私は少しだけドアを開けたまま、聞き耳を立てた。
父｢急に、自分には鬼道を名乗る資格はないなどと言い出しましてね。それ以上は、何も話そうとしないんですよ。
ここはやはり、影山さんに話を聞いていただきたいのですが…｣
影山｢成長途中にはそんなこともありますよ。ここでもう一度、自分の立場をはっきりさせましょう。｣
父｢先生、あの子は繊細です。何卒…｣
影山｢分かってますよ。ご安心を。｣
ｺﾝｺﾝｯ
影山｢私だ。入るぞ。｣
影山総帥が有人君の部屋に入ったのを確認して、私は有人君の部屋の前に行く。
鬼道｢俺は一体何です…？｣
影山｢考えるな。私や、お前の父を失望させるなよ。
優れた才能を探していたあの時、施設でお前を初めて見た衝撃は忘れられない。わずか6歳でお前は完成された存在だった。
お前は使える。だから、鬼道財閥に推薦したのだ。頂点に立つことが、鬼道の名を継ぐ者としてのお前の義務であり使命だ。他に何を望む？｣
鬼道｢サッカーです。｣
影山｢ただやらせていたと思うのか？
サッカーにおいて司令塔であること。これは多くの系列企業を束ねる、お前の父がやっている事のシミュレーションだ。戦略を考え、思惑通りに選手を動かす。判断を誤れば敗北に繋がる。
お前は勝つことで、鬼道の名を継ぐのに相応しく成長していくのだ。｣
鬼道｢総帥の言う勝利は、実力の上に成り立つものじゃない。貴方は俺だけじゃなく、Aや、チームの皆を否定している。｣
影山｢敗北は醜いぞ。｣
今まで
A｢…｣
影山｢お前もああなりたいのか？｣
鬼道｢触るな！｣
影山｢思い出にしがみついていては弱くなるぞ。捨てろ。｣
鬼道｢例え敗者になろうと、全力を出し尽くした勝負ならば、悔いはありません！｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：苺の花 | 作成日時：2019年9月27日 21時
