第78話 ページ30
鬼道side
俺は雷雷軒に向かった。
円堂｢監督。なんで、鬼道とAと不動が同じチームなんですか？
あの3人のことは、監督だって分かってるはずなのに。
ん？鬼道！｣
鬼道｢考えることは一緒だな。｣
俺達は、響木監督を見た。
鬼道｢俺は、納得出来ません。
不動を選んだ理由はなんですか？｣
響木｢奴の能力を高く評価した。それだけだ。｣
鬼道｢俺には、あいつが日本代表になるだけの力があるとは思えません！｣
響木｢代表になるか、ならないか。それは、俺が見極める。そのための選考試合だ。｣
鬼道｢くっ…｣
響木｢いいか？
試合の内容によっちゃ、容赦なくお前達を落とす。｣
円堂｢分かっています。分かってますけど…｣
響木｢そういうところは、お前の長所でもあり、短所でもある。
仲間を想う、その気持ちは大切だがな。｣
円堂｢…｣
響木｢まずは、選考試合をしっかりとやり遂げることだ。
そして、その先にある世界との戦いの中で、お前達がどう変わっていくか。
その答えは、お前達のここにある。｣
響木監督は、胸に拳を当てた。
円堂｢それは、監督から俺達への挑戦ってことですか？｣
響木｢挑戦か、そうとも言えるな。｣
円堂｢やろうぜ、鬼道！｣
鬼道｢あぁ。｣
俺は、円堂を見つめた。
雷雷軒を出て、河川敷に向かう。
円堂｢明日は、雷門中で特訓することにしたんだ。
そっちは？｣
鬼道｢帝国でやる。ある意味、俺のホームグラウンドだからな。｣
円堂｢どうしたんだよ。こうなったら、やるしかないだろ。
不動のことは気になるけど…俺のチームだって、まだまだ謎だらけの奴がいるんだぜ。｣
鬼道｢さっき、お前と監督を見ていて、羨ましくなってな。｣
円堂｢え？｣
鬼道｢お前は響木監督やおじいさんのノートが、サッカーを教えてくれる。
だが、俺は…｣
円堂｢…｣
鬼道｢俺は不動と上手くやる自信がない。
どうしても、影山を思い出してしまうんだ。
多分、Aもそうだろう。｣
俺は、不動を見た時のAの顔を思い出した。
鬼道｢ふっ…ずっと影山の呪縛から逃れられないのかもしれない。｣
俺は鞄を持って、歩き出した。
円堂｢今は、日本代表のことだけ考えようぜ。｣
鬼道｢選考試合で会おう。｣
円堂｢あぁ！負けないぜ！
そして一緒に、世界へ行こう！｣
鬼道side終了
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年4月9日 15時
