第60話 ページ11
ウルビダ｢勝ちたかった…お父様の…お父様のために…｣
A｢玲名…｣
私は、玲名の肩に手を置いた。
グラン｢仲間って、凄いんだね。｣
円堂｢そうさ！ヒロトにも、そのことが分かってもらえて嬉しいよ。｣
円堂とヒロトは、握手した。
瞳子｢ヒロト。｣
グラン｢姉さんが伝えたかったこと、これだったんだね、姉さん。｣
吉良｢ヒロト。ヒロト、お前達を苦しめてすまなかった。
Aもすまなかった。｣
グラン｢父さん…｣
A｢お義父さん…｣
吉良｢瞳子。私はあのエイリア石に取り憑かれていた。
お前の…いや、お前のチームのおかげで、ようやく分かった。｣
瞳子｢父さん…｣
吉良｢そう…ジェネシス計画そのものが間違っていたのだ。｣
すると、傍にいた玲名が立ち上がった。
A｢玲名？｣
ウルビダ｢ふざけるな！
これほど愛し、尽くしてきた私達を、よりによって貴方が否定するな！｣
A｢お義父さん！｣
お義父さんは動こうとしない。
ﾄﾞｰﾝｯ!
A｢ヒロト…｣
ウルビダ｢グラン、お前…｣
グラン｢うっ…｣
ﾄﾞｻｯ!
A｢ヒロト！｣
私は、ヒロトに駆け寄った。
A｢ヒロト、大丈夫？｣
グラン｢A…ちゃ…ぐっ！｣
ウルビダ｢何故だ、グラン…何故止めたんだ！
そいつは、私達の存在を否定したんだぞ！そいつを信じて、戦ってきた私達の存在を！
私達は全てをかけて、戦ってきた！ただ、強くなるために…
それを今更間違っていた！？
そんなことが許されるのか、グラン！｣
A｢玲名…｣
グラン｢確かに…確かに、ウルビダの言う通りかもしれない。
お前の気持ちも分かる。
でも…それでもこの人は…俺の大事な父さんなんだ！｣
A｢ヒロト…｣
グラン｢もちろん、本当の父さんじゃないことは分かってる…
ヒロトって名前が、ずっと前に死んだ、父さんの本当の息子だってことも…｣
鬼道｢本当の息子？｣
瞳子｢えぇ。｣
グラン｢うぅ…それでも、構わなかった…父さんが、俺に本当のヒロトの姿を重ね合わせるだけでも！
父さんが施設に来る日が、楽しみでしょうがなかった。
父さんの喜ぶ顔を見てるだけで、嬉しかった。
たとえ、存在を否定されようと…父さんがもう、俺達のことを必要としなくなったとしても…それでも…父さんは、俺にはたった1人の父さんなんだ！｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 85人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：苺の花 | 作成日時：2019年4月9日 15時
