第46話 ページ47
円堂｢悩むことなんてない。
エイリア学園の全てが分かるんだぜ。行くしかないだろ。
監督が勝つことにこだわって、俺達を引っ張ってきたのは、きっと
その答えは富士山にあるんだよ！行こうぜ、みんな！｣
鬼道｢待て、円堂。
俺は、一之瀬が戸惑うのも分かる。
一緒に行くかどうかは、それぞれに決めてもらおう。｣
円堂｢だけど…｣
鬼道｢みんなには、考える時間が必要だ。｣
円堂｢そうか。そうだな。今夜一晩あるもんな。｣
一之瀬｢どんなに時間をもらっても、答えは同じだよ。｣
円堂｢一之瀬…｣
一之瀬｢俺は降りる。｣
浦部｢ダーリン！｣
綱海｢なんで監督は話さないんだ？隠してたって、いい事なんかないだろ。｣
木暮｢結局…信じた俺らがバカだったってことでしょ？｣
夏未｢本当にそうかしら？
今までの試合を思い出して。
監督の采配は、いつも私達の勝利を第一に考えた的確なものばかりだったわ。
本当に信用する価値はないのかしら？｣
土門｢そりゃ、そうだけど…｣
夏未｢豪炎寺くんの時も憎まれ役になってでも、豪炎寺くんにチームを離れるように言ったのは、彼と彼の妹さんを守るためだったでしょ。｣
豪炎寺｢そうだな。俺は監督を信じる。｣
吹雪｢僕も行くよ。行くしかないんだ。こんなところで、立ち止まりたくない。｣
塔子｢あたしも行く！本当のことを知りたい、パパのためにも。｣
壁山｢俺は…俺は…｣
土門｢やっぱ俺は、納得いかない。｣
鬼道｢みんな、頭を冷やそう。｣
A｢有人！｣
有人を追いかけ、腕を掴むと、有人は私を見た。
A｢有人は、行くよね？｣
鬼道｢考える、としか言いようがない。｣
A｢そっか。｣
ﾎﾟﾂｯ…ﾎﾟﾂｯ…ｻﾞｰｯ!
雨が降ってきて、私達は雨宿りする。
A｢みんな、仲良かったんだよ…｣
鬼道｢え？｣
A｢毎日、日が暮れるまでサッカーして、本当に楽しかった…｣
鬼道｢…｣
A｢なんで、あんな風になっちゃったのかな…｣
鬼道｢A…｣
ﾄﾞｰﾝｯ!
A｢ひっ…｣
私は、小さく縮こまった。
鬼道｢A？どうした？｣
A｢怖い…｣
鬼道｢怖い？雷がか？｣
私は、頷いた。
ﾌﾜｯ…
目を開けると、有人がマントを私にかけて、抱き寄せていた。
有人は何も言わず、ただ私の傍にいてくれた。
A｢ありがとう…有人…｣
私は、有人の温もりに体を預け、目を閉じた。
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年4月2日 12時
