第31話 ページ32
鬼道｢A！やめろ！｣
鬼道が、私に手を伸ばしてくる。
A｢ウルフカット！｣
3匹の狼達が、一之瀬を襲う。
ボールを奪い、走ろうとすると、体に激痛が走った。
A｢うわあああっ！｣
その場に蹲って、叫び声を上げた。
鬼道｢A！｣
不動｢まだだ！行け！｣
私はふらふらと立ち上がり、雷門ゴールに上がる。
鬼道｢まさか…！｣
鬼道が、ボールをカットする。
A｢邪魔しないで…｣
鬼道｢お前、今何をしようとした？｣
A｢…｣
鬼道｢シングルブーストを打とうとしただろ！｣
A｢だったら何？私は、総帥のため…｣
鬼道｢目を覚ませ！自分の体を犠牲にして、何故影山に従うんだ！｣
不動｢説得なんて無理無理。
だってこいつは、影山総帥の恐怖に負けて、ここにいるんだからな。
人は、そう簡単に恐怖に勝てねえだろ？｣
鬼道｢何？｣
不動｢シュートしてみろよ。｣
鬼道｢うわあっ！｣
圭太｢不動、軽くトラップ！真･帝国学園のキャプテン不動、テクニックもある！｣
鬼道｢何故だ…何故、あいつらを引き込んだ！｣
不動｢俺は負けるわけにはいかねえんだよ！｣
圭太｢鬼道、不動、両者共に熱くなり、激しいプレー！どちらも、1歩も引かない！｣
鬼･不｢うおおっ！｣
圭太｢対決は互角！｣
ﾋﾟﾋﾟｯ!ﾋﾟﾋﾟｰｯ!
圭太｢ここで前半終了！なんと、真･帝国学園が1点リード！｣
A｢ハァ…ハァ…｣
私はふらふらと廊下を歩く。
ﾌﾗｯ…
A｢…鬼道？｣
誰かに支えられる感覚で目を開けると、鬼道が私を支えていた。
鬼道｢大丈夫か？｣
A｢何しに来たの？｣
鬼道｢お前がどこかへ行くのが見えたからな。
A、不動の言ってたこと…どういう意味だ？｣
A｢鬼道には、関係ない。｣
鬼道｢関係あるさ。相棒だろ。｣
鬼道“悩みがあるなら言えよ。相棒だろ？”
A｢…もう、私は鬼道の相棒じゃない。私は、総帥の人ぎょ…｣
鬼道｢お前は、風月A！俺の相棒で、仲間だ！
A。俺はお前と、もう一度サッカーがしたいんだ！｣
鬼道が、私を真っ直ぐ見つめる。
A｢…｣
不動｢おいおい。余計なこと、吹き込まないでくれる？｣
鬼道｢不動…｣
不動｢さっ、行こうぜ。｣
A｢…｣
不動が、私の腕を引っ張っていく。
私は鬼道を振り返って、また前を向いた。
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作者名：苺の花 | 作成日時：2019年4月2日 12時
