【忍たま】優秀忍者は“女の忍び”～孤児狩りを暴け！の段～ (ページ4)

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3、悲劇とは喜劇よりも強く残るページ4

忍武:…学園長、彼らに全て話してもよろしいでしょうか。

私の口から。
忍武は学園長に向き直りそう問いた。静かに彼らの声を聞いていた先生方も学園長の方を見る。

学園長:遅かれ早かれいづれは知らねばならぬこと…話すがよい。

忍武:有難うございます。

礼を言い頭を下げると、再び前に向き直ると忍武は覚悟したように全てを語り出した。

今から三年前、忍術学園で一番の信頼と実績を持った男菊寺正斎特別補佐委員長のことは、ここにいる先生方、当時下級生だった皆なら知っているでしょう。
成績優秀、その上礼儀正しく友人後輩想いの菊寺先輩は学園中の人間全員の信頼を得ていた。彼の人望、実力全てにおいて誰一人として嫌う者などいなかった。
彼は強かった。失礼ながら先生方よりもおそらく。特別補佐委員長はいつ命を落としてもおかしくはない、そういう任務をかかえている。しかしあの人は、どれほど困難な任務だろうと死を免れぬようなものでも彼は全てこなしていた。
しかし彼は命を落とした。
忘れることのない菊寺先輩ら六年生の卒業試験、「庵多岳城の落城」。
元々庵多岳城の落城は国から極秘に命令されていたことでしたので丁度よい機会だった。あの時の六年生は過去最強といっていいほど一人一人強さを誇っていたしな。
学園の誰もが生きて帰ってくると信じて疑わなかった。

でもそれは叶わなかった。
あともう少しというところで菊寺先輩は命を落とした。先輩以外の六年生の方々もおよそ半数の人が亡くなった。生き残った先輩方も負傷しており、落城寸前の庵多岳城だったが力及ばずと先輩方は学園に引き返し全てを報告した。
不可能だとしても引き返してしまった自分たちの意思の弱さと、学園全体に迷惑をかけてしまったという懺悔から先輩方は自らの意志で私たちの前で自害。

忍武:後輩の中でも特に可愛がって貰っていた私たちの悲しみは深かったはずだ。

竹谷:……

三木ヱ門:…

忍武:ここまでは皆が知っている事件の内容だが…先ほども言った通り、菊寺先輩は桜賀忍者だった。それ故にあの時標的とされた。

仙蔵:…なるほどな…庵多岳居乃は抹殺したと思っていた桜賀忍者が生き残っていることに気づき、排除しようとした。

忍武:そうだ。しかもあの時の庵多岳城は勢力拡大の真っ最中、兵や雇っている忍びの数や力は舐めてかかれないものだったからな。

長次:…もしかして、今回の孤児狩りの件もそれが大きく関わっているのか…？

忍武:あぁ。