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2、隠し事とは重要な代物 ページ3

菊寺正斎 その名前にその場にいた全員が反応した。

山田:あぁ、はっきり覚えている…三年前学園内で一番の実力者だった、元特別補佐委員会委員長。

学園長:そして、桜賀流忍術を会得していた数少ない生き残りの一人。

仙蔵:…な…!

尾浜:…菊寺先輩が…桜賀、忍者…?

学園長の言葉に上級者らは驚きを隠せなかった。彼が桜賀忍者だという事実は先生方以外知らず、生徒は誰一人知らずにいたのだ。
仙蔵らが動揺する中、忍武は一人瞼を閉じていた。これまで全ての事実を黙認していたかのように。そんな姿を見た伊作は静かに問いかけた。

伊作:…忍武、君は全部知っていたの…?

忍武:…あぁ、知っていた。あの事件の全ても菊寺正斎先輩の正体も今回の事件の原因も…全て三年前から知っていた。

目を開き穏やかに話す彼女の声は後悔と懺悔に飲まれたものだった。

忍武:今まで黙認してすまなかった。私のことをどうとがめても、私に反論する権利はない。

好きに言ってくれて構わない。 と、忍武は仙蔵ら生徒全員に真っ直ぐな目で言った。
咎める者は誰一人いなかった。
いや、本当のところ何か言いたかった者もいるかもしれなかったが、とがめることなど出来なかった。

彼女は強かった、一年の頃から周りとは違うものを持っていた。そして僅か10という幼さで忍としての全ての重荷を背負っていた。全てを自覚し理解した上で、彼女は学園に入り学び教わり成長した。
彼女は優しかった、気前の良さとその気楽さから誰からも慕われ好かれていた。同級生はともかく、目上のものには実力関係なく礼儀正しく接し、後輩には同じ目線で遊んでやり年上として相談に乗っていた彼女は学園中から信頼を得た。

久々知:先輩が隠していた事は学園に関係する大きなもの。先輩や我々個々だけの問題ではありません。そんな事を私たちがもし三年前に知っていたら、何も考えず勝手なことをしでかしていたやもしれません。

長次:あの時の我々なら、確実に先生や先輩方を無視して問題事を起こしていた…お前が言わなかったのは正解だった。

文次郎:寧ろ今まで隠していてくれたことに感謝する。色々背負わして悪かった、忍武。

滝夜叉丸:我々四年生からも礼を申しあげます。有難うございます忍武先輩。

忍武:…お前たち…

彼女に対する皆の信頼は大きかった。
この隠し事を彼女がもし隠さず、あの時全て話していたなら彼らは今と同じ道を辿っていただろうか。否、おそらくあそこで途切れてしまっていただろう。

3、悲劇とは喜劇よりも強く残る→←1、過去の出来事もまた 万に繋がる分岐点



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作者名:御堂雅紀 | 作者ホームページ:http://nanos.jp/masaki2525/  
作成日時:2014年3月15日 10時

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