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頬杖をついて外を眺める。そしてため息をつく。
「なーにため息なんかついてんの。愛しのAと会ったんじゃないの？」
「……ほっとけ」
「うわ辛辣」
小学校時代からのクラスメイトに肩を組まれるが、鬱陶しそうに振り払う。とにかく今は、あいつの名前を出してほしくなかった。
好きになってもう何年目なのかはわからない。けれどそれほど長い間、一途に思い続けているのに、
「なーんで通じないかなぁ」
何度も言うが、ただの自意識過剰だったのかもしれない。
けれども絶対、小学生だったとき、彼女は俺を好きだったと思う。あんなにあからさまな態度をとられてたのだから、気付かない方がおかしいくらいだ。
それなのに、たったの二年であいつは他の奴を好きになったらしい。
だが、どうにも納得がいかなかった。
初めて彼女の好意に気づいたのは俺らが三年生のとき。たまたま、彼女と仲の良い友達が喋っているのが聞こえてしまったのだ。
いや待てよ？ 俺、もしかしたらあれがなかったらあいつの好意に気づかなかったんじゃ……
「いや流石にそれはないよな」
それから六年になるまで、ずっと彼女は俺のことを想っていた、らしい。そんなに長い間好きだったのに、なぜたったの二年で他の奴を好きになれるのか。
俺だったら無理だ。というか現にできていないのだが。
「雪村ぁ。おまえ、ホントにこれで良いのかよ？」
「なにがだよ」
「Aが他のやつとイチャイチャしてんだぜ？ 嫉妬とかし」
「するよ。すっげぇイラつく。ムカつく。だから今喋りかけるな」
彼の言葉を遮り、言う。憎々しげに言う。
「関係性が見つかんねぇ」
ガシガシと頭を掻きながらロッカーの上に座った瞬間に教師に怒られる彼を視界の端で捉えながら、携帯を取り出す。“AA”の欄を開く。睨む。
「眉間にしわ寄せて、せっかくのいい顔が台無しだぞー？」
「知るか」
携帯を覗き込まれそうになったので、ホーム画面に戻った。そして後悔する。
未だに変えられない、ホーム画面の写真。
未だに忘れられない、あいつの笑顔。
未だに消せない、この想い。
「そーんな好きならちゃっちゃと告れよ」
そう軽々しく発言する彼に、言ったさ、と言うと、彼は目を大きく見開いた。
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りこりこ(プロフ) - 小学生の時ぶりにひさしぶりにイナゴのよむきっかけになりました!!ケータイ小説なんかより100倍本当におもしろかったです()鬼いい話でした(TT)ほんとありがとうございました..！！ (2021年1月13日 15時) (
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作者名：十五夜だんご | 作成日時：2020年10月2日 20時
