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ドドーン！ と花火が次々に上がり、夜空を彩る。
久々に見る花火は、とても綺麗だった。
そう思ってから、横に立って同じように花火を見上げているAを見る。そして、もしかしたらこいつと一緒に見てるからかな、なんて思う。
Aは……バカ真面目で近寄りがたい人。そう思っていた。でも今は、もっとずっと一緒にいたいって思える俺の大切な人。どうしてこんなにも彼女をこんなふうに思うようになったのかなんてわからないけど。でも、これだけは言える。
俺は、Aが好きだ。
真面目でしっかり者だけど、ちょっと抜けてるとこがあって、天然。鈍感だけど、すごく気配りができる、人望の厚い人。
でも、そんな完璧に見えるからこそ、息抜きができる時間を作ってあげたい。俺といるときぐらい、本来の彼女でいれるようにしてあげたい。
俺が、Aを支えたい。
そんな大層なことはできないけど、そばにいて話を聞いてあげるくらいはできる。彼女を受け止めてあげることくらいならできる。
だから。
だからもっと一緒にいても、いいか？
「…………」
とか、ちょっとキザっぽい台詞を言えたらいいんだけどな、とわりと本気で思う。残念ながら、俺にはこんなことを言う勇気なんてどこにもないのだが。
せっかく神童がこんなチャンスをくれたのに台無しにするわけにはいかない。だが、だからといって告白する勇気もない。
俺は怖かった。彼女にこの想いを告げたら、今の関係が崩れてしまいそうで。ギクシャクした関係になってしまいそうで、怖い。
だけど、伝えなきゃ今の関係から進展しない。ただ、そのかわり後退もしない。
どっちのほうがいいのか。それは今の俺にはわからない。
もう一度、Aの方を見てみる。もしも彼女が嬉しそうな顔をしてたら、伝えよう。つまらなさそうだったら……やめる。
そう決めて、彼女を盗み見る。どんな表情をしているのか、見てみる。
「…………」
「…………！」
Aは、そのどちらでもなかった。
ーー彼女は、悲しそうだった。
唇をくっと噛んで、花火を見つめている。ほんの少しだけ、目が潤んでいるようにも見える。
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十五夜だんご - Raiさん» ありがとうございます。始まって一か月以上経つのに相変わらず無名な作品ですが、よろしくお願いします。 (2020年9月20日 19時) (
レス) id: 55db7e7529 (このIDを非表示/違反報告)
Rai - やり方はそのまま画面にペースト、編集パスワード、通常検索など出てくると思います (2020年9月19日 17時) (レス) id: ccf4aab007 (このIDを非表示/違反報告)
Rai - 初めまして霧野君かっこ良く好きで楽しみにしていますもし良かったら参加可能でしたら嬉しいです「 https://uranai.nosv.org/u.php/event/kouooue/」「あなたの小説読ませて下さい。」 (2020年9月19日 17時) (レス) id: ccf4aab007 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十五夜だんご | 作成日時：2020年8月13日 18時
