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私は思う。
どうして神様は、私にこんな試練を与えたんだろう、と思う。
神様は、乗り越えられる試練しか与えない。そう言われたけれど、でも、じゃあ私は今、どうすればいいの？
素直に彼を思い続けていたら、彼の本当の恋人になれた。
キッパリと彼の思いを断ち切っていたら、もっと別の人を好きになって、ーーそう、例えば神童くんとか、霧野とかを好きになって、ちゃんとした恋人になれたかもしれない。
けれども、今の自分は。
豹牙のことを未だに想っているけれど、形だけとはいえ、“恋人”がいて、しかもその“恋人”を少し気にしているという、なんとも中途半端な状態で。
こんな状態で。私はどうすることが、一番いいの？
「わ、私、は」
「うん」
震える声で、続ける。麻痺しかけている頭で考えて、声を絞り出す。
「私に、は、ね……彼氏、いま、いるの」
彼は私の瞳から目を離さない。そして私も彼の瞳から視線を外せない。
彼に魅せられてしまっている私には、彼から目を離すことなど、できなかった。
そのままずっと見つめ合う。それは数秒だったのかもしれないが、私にはとても長く感じた。
ゆっくりと彼の顔が離れていく。待ってほしいと思っても、彼はその動きを止めない。
もっと君に触れていたい。そう願っても、距離が離れていく。
豹牙は少し離れた距離から、私を見つめる。私も顔を上げて彼を見つめる。すると彼はすっと目をそらす。
……やっぱりダメだよね。私、彼氏いるんだもんね。最低だな、私。
「恋」というものは不思議だ。好きになった相手のたった一言で、ちょっとした動作で気持ちには天と地ほどの差ができてしまう。
私はあんなにも、豹牙に抱きしめられて嬉しかったのに、目を逸らされただけで自己嫌悪する。
だからきっと、これは私への戒めだ。一度に何人もの人を好きになるな、という戒め。
それでも、私は彼が、豹牙が好きなの。ずっとずっと、彼しか好きになんてなったことないの。私は、一途だから。一途な、はずだから。
だから私、誓おうと思う。誰に言うわけでもないけれど、自分自身に誓おうと思う。
これから。これから先、ずっとずっと、彼だけを想い続ける。豹牙だけを、思い続ける。だから。
だから、今だけ。
神様、どうか今だけは、欲張りな私許してください。
「豹牙」
「……ん」
下に向けていた視線上げて、再びこちらを見つめてくる。
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十五夜だんご - Raiさん» ありがとうございます。始まって一か月以上経つのに相変わらず無名な作品ですが、よろしくお願いします。 (2020年9月20日 19時) (
レス) id: 55db7e7529 (このIDを非表示/違反報告)
Rai - やり方はそのまま画面にペースト、編集パスワード、通常検索など出てくると思います (2020年9月19日 17時) (レス) id: ccf4aab007 (このIDを非表示/違反報告)
Rai - 初めまして霧野君かっこ良く好きで楽しみにしていますもし良かったら参加可能でしたら嬉しいです「 https://uranai.nosv.org/u.php/event/kouooue/」「あなたの小説読ませて下さい。」 (2020年9月19日 17時) (レス) id: ccf4aab007 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十五夜だんご | 作成日時：2020年8月13日 18時
