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本当に、本当に嬉しくて。
幸せが、溢れてきて。
嬉しいが、溢れてきて。
そして。
罪悪感と、後悔が、それらを全て呑み込んで。
ずっと彼しか見ていなかったのに。ずっと彼のことしか、考えられなかったのに。
豹牙に“好き”という言葉を貰った瞬間、どうしてだか頭にピンクの髪がちらついてしまって。
なんで、と自分自身に問いかける。
今私、すごいドキドキしてるのに。今私、すごい嬉しくて、幸せなのに。
なんであんなやつを、思い出すの？
……意味、わかんないよ。
なにも言わない私に眉を潜めるのを感じて、私は言う。
「最後のなければ完璧だったのにね」
「あんたってやつはっ！ 雰囲気ぶち壊しだろ！？」
いつものように突っかかってくる豹牙にクスクスと笑う。それに彼はもう怒ったぞという顔になり、ずいっと顔を近づけてくる。吐息がかかってしまいそうなくらいの距離に、なる。それに私は、やっぱりドキドキして、ギュッと目を瞑る。
キス、されるのかな。
キス、してくれるのかな？
そんな淡い期待を抱いて、目を瞑る。
だがあの時のような触感は感じない。ただ、額にこつんとなにかが当たって、私は目を開ける。
すると豹牙の綺麗な瞳が、こちらを見つめていた。その瞳の中に、私の蒼い瞳が映る。
どちらかが少しでも動いてしまえば、触れてしまいそうな距離。しかしどちらも動かない。互いの瞳を見つめるだけで、動かない。
胸が高鳴る。おかしくなってしまいそうなほど、スキが駆け巡る。ーー息が、できない。
「なあ、A」
「な、に？」
「俺さ。おまえが思ってる以上に……一途、なんだからな」
瞳を妖しく光らせて、細める。この二年でかっこよくなっただけじゃなく、色っぽくもなったらしい。始めて見る彼に、心臓が激しく波打ち、背中をなにか得体の知れないものが通る。
私はゴクリと生唾を飲み込み、リセットされてしまった思考を再生させる。
真っ先に思い浮かんだのは、豹牙から電話をもらった時と同じこと。
私には、“恋人”がいるから、彼の好意を受け取ってはいけないという、こと。
そして。
そして私は昨日、霧野がサッカーをしているのを見て、不覚にもドキッとしてしまったということを思い出してしまって。
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十五夜だんご - Raiさん» ありがとうございます。始まって一か月以上経つのに相変わらず無名な作品ですが、よろしくお願いします。 (2020年9月20日 19時) (
レス) id: 55db7e7529 (このIDを非表示/違反報告)
Rai - やり方はそのまま画面にペースト、編集パスワード、通常検索など出てくると思います (2020年9月19日 17時) (レス) id: ccf4aab007 (このIDを非表示/違反報告)
Rai - 初めまして霧野君かっこ良く好きで楽しみにしていますもし良かったら参加可能でしたら嬉しいです「 https://uranai.nosv.org/u.php/event/kouooue/」「あなたの小説読ませて下さい。」 (2020年9月19日 17時) (レス) id: ccf4aab007 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十五夜だんご | 作成日時：2020年8月13日 18時
