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まるで協調性のない言葉だが、俺はそうは思わない。
それはつまり、相手の時間を自分のために使わせたくない、という気遣いのようなものだから。棘のある言い方で誤解されることが多いだろうが。
「……えーっと……」
Aと神童の顔を交互に見て、考える。確かその仕事は資料の綴じ込みだったはずで、とすると教室で二人っきりってことも考えられる。そうしたら。
「…………」
そうしたら、もしかしたらもしかするかも、とか思う。いやもしかするともなにもないと思うが、少しだけ、期待してしまう。
……いや、俺はなにをあいつに期待してんだ？ 俺らは形だけの“恋人”で、それ以上なわけないしそれ以下だとしたらただのクラスメイト。意識とか恋愛感情とか、そういうものは持たれていないはずだ。
そしてそれは俺も同じなはずで。
だけどなぜか、どうしてか、彼女が気になってしまう。なんとも思ってないし、なんとも思われていないはずの彼女が、気になってしまう。
ちらりとAを盗み見ると、彼女はなにやら難しそうな顔をしている。多分、彼女もどちらがいいのか彼女も考えあぐねているのだろう。
そして彼女はこちらの視線に気づくと、少し困ったように眉尻を下げて首を傾げてくる。さらさらと黒髪が流れる。それに。
「…………」
俺は目を、大きく見開いた。
彼女が、輝いて見える。何度目を瞬いても変わらない。……いや、これはきっと窓からさす光のせいだ。
そう思っても、一度大きく動いた心臓はその動きを加速させる。
いや、待て待て待て待て……お、落ち着け俺っ！
なに、ドキドキしてんだよ！ なんであいつなんかにこんな……おかしいだろ！？
俺は慌てて俯き、早鐘を打つ鼓動を治めようと必死になる。しかしそう思えば思うほど彼女の姿がちらつき、なにをどうすればいいのかもうわからなくなってしまう。ただ体が、部活後のように暑い。さらには目眩までしてきた。
ああもう、ああもう俺にどうしろってんだ！？
「霧野？ 急にどうしたんだ？」
心配そうな声音の神童に、俺は無表情を意識して顔を上げる。口がピクピクと引きつっている気がするが、それは見逃してほしい。
「……な、なんでもない」
「そうか？ 顔が赤い気もするが……」
「熱でもあるの？ 保健室？」
かなり的外れなことを言うAの方は見ずに、神童を凝視して大丈夫だと答える。それに不信感を抱いた両者は顔を見合わせた。
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十五夜だんご - Raiさん» ありがとうございます。始まって一か月以上経つのに相変わらず無名な作品ですが、よろしくお願いします。 (2020年9月20日 19時) (
レス) id: 55db7e7529 (このIDを非表示/違反報告)
Rai - やり方はそのまま画面にペースト、編集パスワード、通常検索など出てくると思います (2020年9月19日 17時) (レス) id: ccf4aab007 (このIDを非表示/違反報告)
Rai - 初めまして霧野君かっこ良く好きで楽しみにしていますもし良かったら参加可能でしたら嬉しいです「 https://uranai.nosv.org/u.php/event/kouooue/」「あなたの小説読ませて下さい。」 (2020年9月19日 17時) (レス) id: ccf4aab007 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十五夜だんご | 作成日時：2020年8月13日 18時
