15 ページ15
私は自分の部屋に入ると、制服のままだというのにもかかわらずベッドに倒れ込んだ。
今日は本当に散々な一日だった。こんな日もあるのか、というくらい散々な日だった。
まず、なぜか水鳥に霧野との関係がバレる。これはまだいい。だって水鳥だし、他の人だったらやばいけど。
次に、豹牙の姿が見られる。二年前の写真だったけど。これもまだ、いい。だけど。だけど、
「水鳥があいつかっこいいって言った……」
あの水鳥が。あの、錦くんにぞっこんで他の男子なんか眼中にない水鳥が、あいつをかっこいいって言った。それはつまり、他の誰から見てもあいつはかっこいいって思われるわけで。つまりつまり、あいつはモテるってことで。
「私の初恋ぃ……」
もう、メンタルがボロンボロンだった。ボロボロ通り越してのボロンボロン。
白恋ってそこそこ頭がよかったはずで。で、頭いい学校って可愛い子ばっかりなわけで。そんな中でモテるらしい豹牙がいたら。間違いなくあいつは今、
「彼女もちだよね絶対」
となるとやはり私の初恋は、六年越しにあっさり砕け散ったのだ。
六年もあれを想い続けるとか、自分がこんなに一途だったとは知らなかった。と改めて自分に感心するとともに、なんであんなやつを好きになったんだろうと後悔が募る。
ーー実際にはあまり後悔していないが。
まあそれはいいとして、よくないけどいいとして、一番やっちまったと思ったのは、水鳥に私の小学生時代を知られたことだった。
いや、自分では話したつもりはないのよ？ 口に出そうと思ってたわけじゃないのよ？
と言い訳をしてみるが、彼女に伝わってしまったことには変わりない。
もう、あの後が大変だった。とてつもなく大変だった。
昼休みの卵焼きあーんのことを引きずっていたクラスメイトたちにヒューヒュー攻撃。からの水鳥からのからかいの言葉。
『相手が霧野じゃなくて雪村豹牙だったらなぁ？』
「って豹牙にんなことするわけないでしょうがほんとに全くなんなのあの子は！」
ベッドの上で足と手をバタつかせるという漫画のようなことをしていると、不意に携帯が鳴った。
私は寝そべったまま手探りで鞄を見つけると、そこから携帯を取り出す。
「げ、水鳥からじゃん……」
表示された“瀬戸水鳥”を見て、心底げんなりするがとりあえずメールを見る。そして目を見開く。大きく見開く。
「雷門と白恋が、試合……？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 16人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
十五夜だんご - Raiさん» ありがとうございます。始まって一か月以上経つのに相変わらず無名な作品ですが、よろしくお願いします。 (2020年9月20日 19時) (
レス) id: 55db7e7529 (このIDを非表示/違反報告)
Rai - やり方はそのまま画面にペースト、編集パスワード、通常検索など出てくると思います (2020年9月19日 17時) (レス) id: ccf4aab007 (このIDを非表示/違反報告)
Rai - 初めまして霧野君かっこ良く好きで楽しみにしていますもし良かったら参加可能でしたら嬉しいです「 https://uranai.nosv.org/u.php/event/kouooue/」「あなたの小説読ませて下さい。」 (2020年9月19日 17時) (レス) id: ccf4aab007 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：十五夜だんご | 作成日時：2020年8月13日 18時
