問一 ページ5
一回戦は危なげなく勝利。
だが、途中で出てきたピンサー。
天井サーブは俺がとりたかった。
それに、後頭部サーブを受けても誰一人雰囲気を取り乱さねぇのは見習うべきだ。
姫川葵も緊張が解けたらしく、予想以上に点を取られた。
来年も上がってくるな、ココは。
基礎力も高ぇし、これからどんどん順位を上げてくるだろう。
要チェック枠に入れとくか……。
あ。
「山形さん」
ちゃんと気になったことは聞く。
コミュニケーションはバレーをする第一条件だ。
「レシーブのとき、主に何を考えてますか」
「え……俺より影山のがうま＿＿」
「そうじゃねぇっす。人の良いところは取り入れるべきっすよね」
それに、山形さんも間違いなく上手いのだ。
どっちが上手いか、という話になれば監督によって意見が割れるだろう。
“人に求められるプレイヤー” が “上手い” のだ。
守備力に全振りした俺と、士気をも操る山形さん。
監督として “手放せねぇ” のは、山形さんのほうだ。
「レシーブのとき……主にセッターの位置とボールだな。アタックされる直前はレシーバーの守備位置も確認するようにはしてる」
なるほど、周りを確認してんのはアタックされる前か。
レシーブのときは既にそれを把握している状態。
……これならスムーズにレシーブまでを運べそうだ。
「あざす！」
「おう。……にしても凄ぇな。そういうところ」
そういうところ？
山形さんはよく褒めてくれるが、いまいちどこを褒められてんのかがわからねぇ。
「ベンチにいるときって “試合に出たい” とか “俺なら” とか考えて、ボールばかり追っちゃうんだよ。プレイヤーは視点に置けない」
試合に出たい。
俺なら、今のもあげられた、声をかけてやれた。
「思いました」
「え？」
「試合に出たい、ボールを触りたいって思いました。それでも、楽しかったんで」
「楽しい、か。俺も楽しい！……次は稲荷崎、頑張れよ！」
ふと視線をトーナメント表に移して目を細めた山形さん。
それは決して、笑ったわけではねぇ。
優勝候補。
それと二回戦であたる。それが、どれだけの重圧を与えてくるのか。
文字通りの最後だ。
白鳥沢に居たいと願うのは “当然の所作” 。
ココは、そう思えるチームだ。
だから、ここで負けるわけにはいかねぇ。
もっと、もっと上に行く。
山形さんが、瀬見さんが、三年生が笑って終われるように。
……一年如きが重圧を感じるな。
「 “知者は楽しむ” っす。どんな状況も全部はねのけてやります」
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ゐほ(プロフ) - ちぃさん» ありがとうございます！！ストイックな感じを出したかったので上手く伝わって嬉しいです……！応援に答えられるように頑張ります！！ (3月1日 19時) (
レス) id: 322cc096fc (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - めっちゃ大好きですこの小説！ボールを綺麗に上げることだけじゃなくセッターが上げやすいレシーブにするっていう自分への厳しさ？みたいな感じがすごく好きです!!毎日更新楽しみにしています。応援してます！ (3月1日 18時) (レス) @page17 id: 4eb3235a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゐほ(プロフ) - はるさん» ホンマですか？！めっっちゃ嬉しくてモチベ激上がりしてます！！最近更新遅いので前作紹介の下の公開予定の三十分後が目安になってます💦 (2月26日 22時) (レス) id: 322cc096fc (このIDを非表示/違反報告)
はる - ガチで大好きです‼️毎回毎回最新話出てるかな？って確認してます！ (2月26日 22時) (レス) @page15 id: fca3faa208 (このIDを非表示/違反報告)
ゐほ - ミミさん» 春高編、気合い入れていきますよ！！ (12月28日 21時) (レス) @page2 id: 3242fac10c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゐほ | 作成日時：2023年12月27日 10時
