王様 ページ16
音駒戦、セットカウント二__〇。
こう見ると良さげだが、かなり危なかった。
実際、二セット目のスコアは二十九__二十七。
セットポイントも二回握られた。
……守りの音駒じゃなかったのかよ。急に成長しやがって。
だが、鷲匠監督もかなり楽しそうだった。
何をどう感じてたのかは知らねぇが。
そして、瞬く間に四回戦、相手は鴎台。
「烏野の十番もだけど、ホント、よく飛ぶよなぁ」
身長は俺のほうがデカいのに、最高到達点だとヤバい。と工がぼやく。
「筋肉と足の使い方が上手いんだろ。お前と違って"高く"跳ばねぇと命はねぇからな」
「俺だって飛ぶし！」
「そこじゃねぇ」
高い奴らは、ただ跳べばある程度やっていけるかもしれねぇ。
だが、"俺ら"はそうじゃねぇ。
いくら跳んでも、"跳べねぇ"。
高い奴が跳んだ、その頂点は、遠い。
だからまず、跳び方を探す。
確かな負けは存在しねぇ。
探したら探した分、研究した分、答えは近づいてくる。
それがどんなに遠かったとしても。
俺らは、それでスタートが遅れる。
だから低い人間が不利だと言われるのだ。
バスケのようにボールを持ってはいけない。
サッカーのように何度も触ってはいけない。
その中でなら、デカい奴へのハンデも限られる。
ブロックは難しいとして、攻撃なら的を増やせる。
フロアディフェンスなら、機敏さを活かせる。
一つじゃねぇ。
勝ち方は何億通りも存在する。
「星海光来と戦えるなんて願ってもねぇ。出てぇ……」
「でも山形さんだろ？出るの」
そうだが。
俺も戦いてぇ。全国に来たのに、全然足りねぇ。
「まぁ、山形さんも上手いもんな。学べってことじゃねぇの？」
そんぐらいわかってんだ。
それに、山形さんから学ぶことは大量にある。
「お前は今のうちに牛島さんから学んどけ。せっかく同じコートに立てるポジションなんだ」
リベロと違って。
「リベロは二人だもんなー。まぁ、Aらしくて良いけど」
「は？俺らしいってなんだよ」
「ほら、お前の兄。王様って呼ばれてた奴だろ？」
「……飛雄になんの関係があんだよ」
俺は独裁なんかしてねぇし、似てんのも顔だけだ。
「一人で淡々と先に行っちゃうから、付けたやつも焦ったんじゃないかと思って」
仲間だと思ってた奴に置いていかれたら怖いんだよ、と工は続ける。
「ま、そのあとを追いかけられなかったり待ってやれなかったのが中学の奴らだろ」
俺は意地でもついてってやるし、Aは"前"にいてくれるから____お前はリベロだ。
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ゐほ(プロフ) - ちぃさん» ありがとうございます！！ストイックな感じを出したかったので上手く伝わって嬉しいです……！応援に答えられるように頑張ります！！ (3月1日 19時) (
レス) id: 322cc096fc (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - めっちゃ大好きですこの小説！ボールを綺麗に上げることだけじゃなくセッターが上げやすいレシーブにするっていう自分への厳しさ？みたいな感じがすごく好きです!!毎日更新楽しみにしています。応援してます！ (3月1日 18時) (レス) @page17 id: 4eb3235a56 (このIDを非表示/違反報告)
ゐほ(プロフ) - はるさん» ホンマですか？！めっっちゃ嬉しくてモチベ激上がりしてます！！最近更新遅いので前作紹介の下の公開予定の三十分後が目安になってます💦 (2月26日 22時) (レス) id: 322cc096fc (このIDを非表示/違反報告)
はる - ガチで大好きです‼️毎回毎回最新話出てるかな？って確認してます！ (2月26日 22時) (レス) @page15 id: fca3faa208 (このIDを非表示/違反報告)
ゐほ - ミミさん» 春高編、気合い入れていきますよ！！ (12月28日 21時) (レス) @page2 id: 3242fac10c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゐほ | 作成日時：2023年12月27日 10時
