【イナGO】囚人と暗殺者ー５ー (ページ7)

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２０７STORY ページ7

～霧野サイド～

霧野「ゆ、誘拐って……」

速水「どういうことですか、浜野くん……」

俺は動揺を隠せなかった。……無理もない。

神童が……『ロント』のリーダーが誘拐されたなんて聞いたら、驚くに決まってる。

いつ？どこで？どうやって？

疑問が次々に押し寄せる。

最初に質問したのは、Aだった。

貴方「海士たちって、闇市に行ってたんだよね？

そこで捕まったの？」

浜野「そうなんだ。

俺は、無線機を通じて神童からの指示が出たから標的を殺した……『いつも通り』に。

だけど、その後神童と連絡が取れなくなって……。

焦っていたら、無線機から神童の声が聞こえてきた。

＿＿＿＿『助けて』って」

助けて……？

それって、やっぱり……！！！

神童……捕まってしまったのか……！！！

どうしよう、神童を捕まえた連中が政府の関係者だったら……

いくら顔を知られていないとはいえ、神童の命が危ない……！！

政府は、子供全てを疑っているから。

ッ……とにかく、俺が冷静にならないとダメだ。

俺はサブリーダー……神童がいない時こそ、みんなをまとめないと……！！

霧野「まだ神童の手元に無線機があるとすれば、居場所をある程度特定できるよな？フェイ」

フェイ「！！うん、今すぐ確認してみるね！！」

フェイは部屋を出て行った。

それから俺は浜野たちに向き直り、焦点を絞る為にこう言った。

霧野「神童が誰に連れ去られたのか……考えられるパターンは四つ。

政府が、子供である神童を犯罪組織の関係者と疑って拘束したか

研究所の奴らが、実験台として使えると判断して捕まえたか

過去に神童と関わりのあった奴が、神童を連れ戻す為に捕らえたか

その他、タチの悪い輩が金目当てに神童をさらったか……」

もし一番目と二番目、どちらかの仮説が当たっていたとすれば、最悪だ。

すると、浜野が手を挙げた。

浜野「ちゅーか、俺の個人的な考えなんだけど

………三番目だと思う」

貴方「三番目……拓人と過去に関わりがあった奴？

たとえば？」

そう浜野に訊ねるAであったが、恐らく彼女はわかっているだろう。

俺も……なんとなく予想がつくし。

浜野「＿＿＿＿＿＿神童の両親。

『神童財閥』の連中」