【イナGO】囚人と暗殺者ー５ー (ページ41)

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２４１STORY ページ41

～霧野サイド～

霧野「は？」

ますます意味がわからない。

浜野が超能力者として目覚めてしまったことが『分岐点』だっていうのかよ。

ベータ「本来の時間の流れでは、浜野さんは超能力に目覚めないまま生涯を終えるはずでした。

ところが、何者かがインタラプトを仕掛け、運命を歪めてしまったんです。

恐らくは……『フェーダ』によるものですね」

！！！フェーダ……Aは確か、その組織の女帝になっていた。

じゃあやっぱり、浜野の覚醒と関連があるのか……。

ベータ「それから、こっそり教えてしまうと……

浜野さんが超能力に目覚めたことで、政府は愚か『ロント』でさえも彼の命を狙うようになります。

行き場を失くした浜野さんは……おっと！！やっぱり教えなーい！」

霧野「はあ！？もったいぶらずに話せよ！！」

ベータ「だって、それはあなたが知りたいことじゃないでしょう？

問題は、北沢Aが生き延びる方法ですよ」

そうだった……。

でも、『ロント』が浜野を狙うって……どうしてそんなことに？

ベータ「あなたに全てがかかっていますよ？霧野さん。

北沢Aの為にあなたが取れる行動は三つ。

一つ目は、浜野さんが『ロント』を抜け出さないようにすること。

二つ目は、あなたが浜野さんを直接殺すこと。

三つ目は……あなたが浜野さんに殺されること」

！？

浜野を殺す……浜野に殺されるって……俺が！？

ベータ「ただ、二つ目の選択は……

Aさんがあなたをどう思うのかによりますよね」

当たり前だ。俺が浜野を殺したら、Aの心は絶対に俺から離れてしまう。

だからといって、浜野に殺されるのは御免だ。

霧野「一つ目に決まってるだろ」

ベータ「ですよねーっ！！でも、そう簡単に上手くいくかしら？」

霧野「＿＿＿＿＿＿！！」

ゴオオォッ！！！！

霧野「！？なっ……」

突如強風が吹き抜け、思わず顔を腕で覆う。

ようやく目を開けたとき……そこにベータはいなかった。

ベータ「楽しみにしてますよ？霧野さん……」

眩む視界。聞こえた声。

姿を見せないベータが、嗤っているような気がして……

俺は思い切り舌打ちをした。