【イナGO】囚人と暗殺者ー５ー (ページ38)

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２３８STORY ページ38

～霧野サイド～

霧野「……なんだよ、皆帆」

浜野が未だに目を覚まさないなか、俺は皆帆に屋上へ呼び出された。

星が瞬き、月がとても綺麗な夜。

皆帆「いや、ちょっとね。昨日とんでもない『夢』を見ちゃったから」

霧野「は？」

皆帆はたまに、超能力のひとつとして予知夢を見るらしい。その内容がとんでもないものだったというのだ。

皆帆「本当は、未来のことを誰かに教えるなんてよくないんだけど

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……この組織の存在すら危ぶまれる事態だったみたいだからさ」

！？

この組織の存在……だって！？

霧野「なんの夢だったんだよ！！教えてくれ！！！」

皆帆の姿が月に照らされ、黒い影が俺に迫る。近づいてくる。

皆帆「教えてあげるよ。それを受け入れるのも拒絶するのも、全ては君次第さ」

俺の額に皆帆の手がかざされる。次の瞬間、目の前が真っ白になった。

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気がつけば、そこは稲妻町の中央区……

霧野「え……？」

荒れ果てた街並み。破壊され尽くし、あちこちから煙が立ち昇っている光景。

まるで、戦場の真っ只中に放り投げられた気分だ。

霧野「さっきまで、アジトの屋上にいたのに？」

ここはどこだろう。もしかして、皆帆が見たという予知夢の中だろうか。

つまり、ここは……未来の稲妻町。

なにが起きたっていうんだ……どうしてこんなことに。

？？「動くな！！！！！」

霧野「ッ！？」

突然、怒鳴り声が聞こえてきた。一瞬自分が言われているのかと思ったが、どうやら違うらしい。

俺は深呼吸で気持ちを一旦落ち着かせると、声がした方向へ駆け出した。

そこは、今にも倒れそうなほどに傾いたビルの裏側。

一人の人間が、憎しみに満ちた表情で拳銃を誰かに向けていた。

桃色の髪に翡翠色の瞳。大分背が伸びているけれど、間違いない。

あれは……

霧野「俺？」

そして、未来の俺らしき人物が拳銃を向けている相手は

霧野「え…………え！？

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A………！！？？」

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