漆拾弐ノ型 ページ27
ーーー咲華、、ーーー
優しい声が聞こえた
彼女の瞳からは大粒の涙が零れ落ちる
ーーー咲華、、すまなかったーーー
一瞬、幻かと思い私は瞬きを繰り返す
そこには優しく微笑んだ男が立っていた
暗闇だったはずの世界がほんのりと明るくなる
咲「…どう、してッ…」
彼女はただただ泣いた
未だに愛している彼を目の前にして
心が震えたのだった
男は彼女の手を握りしめる
髪の毛のない彼女の姿を見ても、彼はずっと微笑んでいた
ーーー知らなかった……君が病気だった事を、、俺は母に君が想い人と駆け落ちしたと聞いただけで……何も知らなかったんだ！ーーー
彼は苦痛そうに顔を歪めた
ーーー君が病気でそんな状態になってるなんて、、少しも知らなかったんだ………ただ俺だけが愛していたんだと、君を恨んだよ…しばらくは飯もろくに食えないほど、、やつれて、、君を恨み……それでも愛していたんだーーー
彼は握り締めた手に力を入れた
ーーーすまない……君を信じずに、気づけなくて……すまなかった……ーーー
彼女達はすれ違った
自身の言葉ではなく、他者の言葉に惑わされ……寄り添い続ける事が出来なかった
ーーー愛している……今も昔も……もう俺達を邪魔するものはいないよ？ずっと一緒にいよう…咲華ーーー
彼は微笑んだ
二人の愛は真実だった
けれど彼女は寂しそうに笑った
咲「……無理じゃ……ーーさん、妾は一緒にはなれん………妾が行かなければいけない所は、ーーさんが行く所とは違うのじゃ……」
咲「…妾が行くべきは地獄ぞよ、、」
そう言って微笑んだ
今まで多くの人を殺してきた
その罪は重い
彼女はそれをちゃんと知っていた
理解していたのだ
それでも彼はその手を離さなかった
ーーー俺も行く……君さえいればいい……もう二度と離れたく無いんだ、、君は醜く無い…いつも美しいよ……ーーー
そして彼女の頬をそっと包んだ
ーーー1人で死なせてしまってすまない、、もう1人にはしないから……ーーー
愛は永遠だ
死と向き合うにはそこに愛がなければいけない
そして彼と彼女が私の方を向いた
咲「……妾は彼と共にいきたい、、妾を殺してくれ…」
彼女はそう微笑むと
私に告げた
私は静かに頷く
そして刀を構えた
貴「……あなた方が一生添い続ける事を願ってるわ…」
ーーーあなた達に幸福をーーー
【古の呼吸 慈愛の契り】
彼女は静かに消えていく
握り合った手を
二度と離さぬように
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ビアンカ - とっても面白いです！できたら富岡さんを少し出していただけたら嬉しいです… (2020年7月9日 19時) (
レス) id: 8342502802 (このIDを非表示/違反報告)
イナビカリ(プロフ) - プラウスさん» コメントありがとうございます！すいません、他の方からのコメントでも無一郎君がいないことを教えて貰っていたのですが、やはり無一郎君を入れた方が良いでしょうか？であれば、書き直します！ (2019年10月21日 0時) (レス) id: b6281ca595 (このIDを非表示/違反報告)
プラウス - 無一郎君がいない (2019年10月19日 21時) (レス) id: 70d6052350 (このIDを非表示/違反報告)
イナビカリ(プロフ) - 蝶華さん、お久しぶりです！本当に更新が遅くなってすいません！そろそろ第三章に行かなければなりませんね|ω･`) 夢主ちゃんが本気を出します！少し原作とは違い(しのぶさんとか)があるとは思いますが、これからもよろしくです！ (2019年10月1日 0時) (レス) id: b6281ca595 (このIDを非表示/違反報告)
蝶華 - お久しぶりです！最近やっとイナビカリさんの作品が見られて本当に嬉しいです！遂に夢主ちゃんの過去も明らかになってこれからどうなっていくのかが凄く気になります？これからも頑張ってください！ (2019年9月30日 19時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イナビカリ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/RibonHomupe
作成日時：2019年5月20日 22時
