mine (ページ10)

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一線ページ10

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なんで…

どうした、おかしいって。

妙な幸福感、知っちゃいけない快感、
あったかくもないのに、じわぁって全身が満ちてゆく、
気持ちがいい

これの正体を知っていた
責任は僕にあるのに、
いつまで経っても僕を責めない彼女に
不満を抱えていたから

軽蔑するくらいに、嫌われることで
いつでも彼女のなかに自分の存在を植え付けたかった

秘めていた歪な形した感情が爆破した

彼女が僕に求めるもの
僕のせいにして、僕を恨んで
僕に謝ってほしいって本当は思ってる

ただ彼女は賢いから
僕が謝ったところで本質は何も変わらないとも、
解っている

それでも自分の思い通りになるなら、
どうでもよかった

ハッとして、緩んだ口元を手で隠し
今度は堂々と教室へ足を踏み入れた

「ごめんね」それだけで全部が終わった
待っていた言葉は、いとも簡単に口から出た

進路を決める時期になって、

Aと同じ高校を受験したのは

罪滅ぼしのふりをした執着心だった

今の生活、関係性はこの一件が完全に影響している

Aは女の子からのお願いを断れないし、
僕はAからのお願いを断らない

毎日の繰り返しで安心していたのも束の間、

今度は彼氏ができたと言う彼女が理解できなかった

その知らせは春よりも早く、
後悔からか吐いた息が白く染まったのをよく覚えている

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