mine (ページ4)

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本当はねページ4

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憂鬱な月曜日

朝、駅のホームでAと恭平の姿を見つけた

二人の空気感、
いつ見ても割って入れる気がしないのは
お互いがお互いを独占しているから

Aは一生知ることないだろうけど、
彼女に変な蟲がつかないどころか
辺りを飛び回ることすら許されないのは、
あの恭平が予防線を張っているから

可笑しいほどに必死になるくらい、

そんなに好き？

「彼女が絶えない」
「来る者拒まず」
「そういう友達」

信じてないけどそんな噂も回って
女の子には苦労してなさそうなのに、
その中でもAだったのは

よりによって、なんで

　
"恭平くんいるよ"

電車を待つ列のうしろで
そんな声に振り返るひとりの女の子

「もう、わざわざ言わなくても…」
「だって、切り替え早すぎない？
　あの子新しい彼女かな、」
「…そうかもね」

この子、たしか
前に恭平と付き合ってた子…

「ね、振ったの？」
「私から？ちがうよ、恭平くん」
「別れたいって言ってたのに」
「そうだっけ、」
「先越されたんだ」
「後も先もないけど、…うん、あっちから」

ふーん

なんてその友達と感情がリンクした
あんだけ興味ありげな素振りみせといて
本当はどうでもいいんだ

「ホントのとこ、どうなの」
「なにが？」
「だって全然幸せそうじゃなかった」
「…」
「違ってたら訂正して」
「…訂正できないから辛いの。」

ポツポツと口から出る彼女の言葉だけじゃ

未練があるのかどうかもわからない

「別れてって、急だったから、整理がついてないだけ」
「そうなの？」
「うん。向こうも気づいてたはずなの、どっちから話を切り出すかってだけ」
「それって優しさ？」
「もしくは振られたくない意地？」
「それだったら、ダサすぎるよ」

いないとこで、勝手にディスられる恭平
元彼女の友達ってだけで
元彼女の元彼氏に対する印象、悪いのかな

「でも」

電車がホームに滑り込んでくる
やだな、移動してしまいたい

「運がよかった、って思えば、うん…それでいい」

周りの奴らが怪訝そうな目で僕を見る

そりゃそうだ、1番前に並んでたのにちっとも動かないので。しまいには急いでたサラリーマンに舌打ちをかまされた

降った言葉が訛りのように重く、両足が動かなくなった

ベルが鳴り響くと

乗るはずだった電車が目の前を通過してゆく

それが本心？

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