mine (ページ3)

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嘘ページ3

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そのすべてが僕にはスローモーションに見えて
この一瞬、
これまでのふたりの時間
こんなにも長く一緒にいたのに

もっと欲しくなってしまった

駿佑「ねぇ、」
　「学校でもそう呼んでよ、名前」

A「呼んでない？」

駿佑「呼んでない。みっちーって……わざと？」

高1の冬、突然変わってしまったのは
呼び方だけじゃない。

廊下ですれ違った時に目が合う回数とか
教科書を忘れた時に借りに来る頻度とか
些細なことでも、変化はゆっくりと

A「高橋くんのがうつっちゃったのかな」

ほら、そんな残酷なことを言う

駿佑「恭平のこと、まだ苗字で呼ぶの？」

A「…先輩だから、慣れなくて」

駿佑「…」

1個上の、ヤンチャな男子

普通に生活していれば
絶対交わらないような二人

そんな二人は友達であり幼馴染である僕がいて
知り合ってからは自然と惹かれあって
「絶対」なんて言葉の持つ意味がなくなったのが
たった4ヶ月前。

16年間隣にいても
分からないことだってある

Aの心の内を知りたいと思う気持ちと
やっぱり知りたくないという我儘が
この恋を何年も拗らせた、でも
それももう終わり。
優しい男、で終わり。

新しい恋は、まだいいや。
どこまでも君に弱くて甘くて従順で、
増えていく女の子の連絡先は
Aからのお願い分の数だけ。

上手くいかない恋の理由を君のせいにした

そうすれば苦しくなかった

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