mine (ページ12)

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曇り、のちにページ12

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僕だけを見て_________

そんなセリフが自身の口から出たことに驚いた
体勢は変わらず、ギュッと彼女を抱きしめたまま。
制服の上から、…健全に

授業を抜け出して来た、別棟の特別教室
考えてみればこういう事をするのは
あまり適していない環境だし、
内側から鍵をかけたといっても
教室前を誰かが通らない保証もない

何より、遠慮がちに腰に回っていた手が
すぐに解けたことが間違っていないと
こうやっていくつもの理由を探して
どこかで線引きしてないと、ダメだ

「やっぱ、やめとこ」

座り込んだ二人の間に今度は数センチの隙間ができた
風でカーテンが時折揺れるから、
光が差したり消えたりするのをぼぉっと見てるだけ

「授業、今からでも間に合うかも。行きな」
「ううん…いい。」

薄暗い部屋で交わされる最小限の会話は
いつも通りで心地いいと思ってしまう

2日前、成績のことで呼び出しをくらい
職員室へと続く廊下を歩いてる時だった

立ち尽くす生徒指導の先生と、彼女の横を
通るしか方法はなかったから「悪い影響があるんじゃないかって、先生達も心配で…」
そんな会話が聞こえてしまうのも仕方なかった

悪い影響

真面目な生徒に、不真面目な彼氏

生徒の恋愛にまで干渉してくるのは
どうかと思うよ先生

ただ、今日みたいに
サボって一緒にいる時間が増えるたびに
彼女を冒涜している自覚もある

離れられないだけ
どっちが？どっちも

「高橋くん」

さっきの、何？

そう問いただされたら、きっと答えられない
だけど思ってしまった
君の視線が他の男に向くことが素直に嫌だと

「行こう、Aちゃん」

手を差し出しても掴んでくれないのは知ってる
少しはにかんで自分の力で立ち上がったAちゃんの手を強引に繋げば、振り払わないのも。

僕たちは白と黒が混ざりきった、

グレーのような関係

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