YGの有能社員 (ページ3)

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そんな私でも唯一の楽しみがある
それはYG社屋の屋上、大都会で寝っ転がって仮眠をすること。
ここはほとんど人が来ないし風が気持ちいいから大好きだ

「ふぁー…っ」

大の字になって背中を伸ばしてカチカチに固まった首筋や肩をほぐす。

んー気持ちがいい
スマホから音楽を流して目を瞑るのが最高の癒し

のはずだった
ある時から隣にもう1人大の字になって寝っ転がるやつが増えたのだ。

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「練習は？」

HR「抜け出してきた」

「それ私で言う職務放棄だよクビ案件」

HR「Aだって今職務放棄してるけどね」

「私は休憩です」

HR「じゃあ俺も」

半年前くらいからTREASUREのハルトがここに訪れるようになった。
私は20歳で彼は19歳
日本だったら同い年だからと言う理由でなめた扱いを受けている。この野郎。

HR「今日は何時退社？」

「まず退社できるかわからない」

HR「可哀想すぎw」

「お前まじで事の重大さ分かってない」

朝昼夜、どれもちゃんと食べれてないんだよ…
もう人間の基本的な生活ができていないの！！
泣きそう…

HR「…あ」

私の頬に彼は簡単に触れる
寝っ転がったまま2人目が合う

HR「なんで泣いてんの」

「人は限界が来ると勝手に流すんだよ涙を」

HR「そうなの？」

「しらないけど」

HR「また痩せたな、クマも酷い」

「…っわかってるよそんなの」

健康になりたくてもなれない、やりたいこともできない
そんな自分が悔しくて腕で目を隠して静かにまた涙を流した。

ハルトの携帯が鳴った。
早く戻れと言われたらしい
さっさと戻れよ

HR「…風邪ひくから早く入れよ」

そう言って走って練習室に向かった。

「…どちらかと言うと熱中症に気をつけろだけどなー、」