生きたい理由 ページ23
『ぱんけーき、たべたいです。綺麗なお着物を着たい、です。』
「ふふ、そうなのねぇ、ちゃんと生きたいと思ってらじゃない、あなた、大丈夫よ、きっと戻って来れるわ」
「さすが岩子じゃ、ならAよすぐに向かうぞ？」
その後、井戸仙人に数時間腕や手足が溶けないように
薬と文字がびっしり書かれた包帯を巻かれた
庭に出て、私はゲゲ郎さんにおんぶされている
「あなた、気をつけくださいね、必ずAを守ってくださいね？」
「なーに、心配いらん、霊界はわしのとってみれば庭みたいなもんじゃ、必ず守る、」
「ゲゲ郎、ちゃんと帰ってこいよ？」
「あぁ、鬼太郎と岩子を頼むぞ？」
ゲゲ郎さんはそう言うと、じっーと、何もない空間を見た
「霊界よ開くのじゃ、」
ぼわっ、、
何もない空間に切れ目が入り開いた
ゲゲ郎さんはそのまま進んだ
私が後ろを振り返ると、スッと空間は閉じた
カラン、コロン、カラン、コロン
下駄の音が響く、
あたりは真っ暗で、ゲゲ郎さんが歩く道だけ
光っている
『霊界って、真っ暗なんですね、、』
「いや、霊界に続く道が真っ暗なんじゃよ、霊界につけばまた景色は変わるんじゃ」
『そ、そうなんですね、、あの、霊界は死んだ人間が行くところなんですよね、』
「そうじゃ、地獄での裁判が終わり特に地獄送りにならんものは、霊界にくるんじゃ、まぁ人間の言葉を借りると天国かのぅ、」
『そうなんですね、、会えるかな、、』
「っ！(そうか、死んだ仲間に会いたいんじゃな、だが、)Aよ、死んだものには会えん、それが霊界や地獄の掟なのじゃ、」
『あぁ、そっか、そうだよね、、』
私は、それを聞くと
ゲゲ郎さんの背中にもたれた
会えないに決まってる
最期にしのぶちゃんや蜜璃ちゃん、他のみんなに
何も言えなかった、、
ただ、伝えたかった、
ありがとう、ごめんなさいと、、
暫く歩くと、開けた場所に出て来た
「Aよ、着いたぞ、ここから暫くいくと滝があるそこに聖水があるんじゃ、そこに行けば治るとまでは行かんが、食い止められる筈じゃ」
周りはなんとも不思議な景色
空なのだろうか、紫色のような、夜の満天の星空のような色をしていて
周りは岩が多いが、キラキラと輝いている
草木も神秘的だった
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作者名：impotantanoath0 | 作成日時：2024年3月4日 9時
