とりあえず、解放して下さいっ！ (ページ14)

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お世話ページ14

水木side

あれから、井戸仙人の治療により
Aさんは一命をとりとめた

村にずっといるわけには行かないため

俺の実家に今はいる

沙代さんもついていくと言っていたが
乙女さんは、今からやり直すため沙代さんが必要だと

あの後、長田と乙女さんは正式に夫婦になった
顔つきも変わっていて、きっと悪さはもうしないだろう、

ゲゲ郎と岩子さんはあれから傷も綺麗に治り
岩子さんは、村にいる間に鬼太郎を産んだ

「ぶふっ、あ、うあ、」

「あら？おしめかしら？」

岩子さんは育児に追われている
ゲゲ郎や俺、母さんも手伝ってなんとか育てている

ただ、Aさんは目を覚さない

「夏は過ぎて、秋になってしもうた、Aよ、いつになったら目が醒めるんじゃ？ちーとばかし、お寝坊じゃのぅ」

ゲゲ郎は、そう言いながら
桶に湯を張り、Aさんの髪を洗っている

ここに来てから
ゲゲ郎は、ずっとAの世話をしている

もちろん、身体を拭くのは岩子さんだが
髪の毛を洗ったり、顔を毎朝拭いたり、
数時間起きに、身体の向きを変えたり、
左手と左足の治療をしたりといろいろな世話をしている

幽霊族とやらは、恩を忘れないという
恩返しのつもりなんだろう

たぶんAさんがいなかったら
最悪の事態になってたはずだ、、

「おぉ、水木帰っておったのか？おかえり」

「おぅ、今帰った、まだ起きないか？」

「あぁ、全くじゃ、、だいぶ左手足の傷も良くなったんじゃが、一種の呪いじゃからのぅ」

ゲゲ郎は、Aさんの髪を丁寧に拭いていく

お前、そんなに丁寧にできたんだな、、

「あら、水木さんおかえりなさい、」

「あ、はいっ、ただ今帰りました。鬼太郎も、」

「うぁ、あっ、あう！」

「岩子っ、」

「ふふ、鬼太郎がAさんのところに来たかったみたいで連れて来ました」

岩子さんはそう言うと鬼太郎をおろした
鬼太郎は、Aさんの近くにハイハイして
じーっと見ていた

つか、幽霊族ってもうハイハイすんのか、

「鬼太郎も心配して来たのか？」

「う？うぁっ、あう、あーー、あーうっ！」バシッ

「っ！こ、これっ！鬼太郎っ、顔を叩いてはいかんっ！」

「ふ、ふぇ、ふぇぇぇっ！」

「あらあら、鬼太郎ダメでしょ？叩いては、それはお父さんだって怒りますよ？」

「い、岩子、す、すまんっ」

「いえ、気にしてませんよ、私は向こうで鬼太郎をあやしてますね？」

岩子さんはそのまま部屋を後にした