桜の咲く頃に Ⅱ (ページ42)

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そう気づいた瞬間すぐに俺は家を飛び出してあいつの家まで走った

「……ﾊｧ………ﾊｧ……」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

何度チャイムを鳴らしても人が出る気配はしなかった

どうしよう………

「ーーーー駅に行ったらあいつがいてさwwwww」

大っ嫌いなあいつらの声が蘇る

そうだ……ーーーー駅……！

もう一度俺は走り出した

「…ｯﾊｧ………ｯﾊｧ…ｯﾊｧ」

上手く息が吸えなくて苦しくて足が鉛みたいに重かったけど走って走ってただ走り続けた

「うわっ………！！」

ﾄﾞｻｯ

足がもつれて転んでしまった

「…………ｯ痛っ！」

膝小僧を地面に打ちつけ切れた皮膚からじわじわと血が滲んでくる

痛くて痛くて余計に呼吸が苦しくなるけど

止まっちゃダメだ……そう自分に言い聞かせてまた走り出した

もうすぐ駅に着きそうになった時目の前に見覚えのある人影が見えた

「………ｯﾊｧ……ﾊｧ……ーーーー！！」

そう親友の名前を叫ぶけどまだ聞こえるには遠くて

「………ｯﾊｧﾊｧ…………ーーーー！！」

もう一度呼んだけどあいつは振り向きもせずに駅の中に入っていってしまった

俺も急いで後を追って駅の前まで来た

そこで俺は初めて定期も財布も何も持っていないことに気がついた

「……ｯどうしよう…………ｯﾊｧﾊｧ」

目の前の電光掲示板を見ると次の電車まであと1分を切っていた

もう後戻りなんてできない…………俺は意を決して後でいくらでも怒られる覚悟で改札を走って飛び越た

後ろで駅員さんの呼ぶ声がする

けどそんなの気にしてる暇なくて、、、ただ走った