桜の咲く頃に Ⅱ (ページ22)

今日:89 hit、昨日:48 hit、合計:70,807 hit

・ページ22

〈佐久間side〉

4月1日

ようやく今日を迎えた

もう苦しまなくて済むんだ………

やっと自由になれるんだ…………

あいつの元に行けるんだ…………

19時になろうとしていた

家の中にはもうテーブルもテレビもなくなってただ広い部屋にベットがポツンとあるだけだった

部屋の電気を消して何年も前に貰った睡眠薬を手に取る

40錠あった薬を5錠………10錠………と水道水で流し込んでいく

全部飲み切った時にはもう水でお腹がタプタプだった

症状はすぐに出なくてしばらくはスマホを見て過ごしていた

けれどしばらくすれば急に吐き気に襲われてトイレに駆け込んだ

「ｳｫｴ…………ｹﾞﾎｯｹﾞﾎ………ﾊｧﾊｧ………ｯｳｫｴ」

震えが止まらない

「………ｯﾊｧ………ｯﾊｧﾊｧ」

動機もすごくて視界がグラグラとして立ち上がることができない

「……ｳｫｴｯ…………ﾊｧﾊｧ………ﾊｧﾊｧ」

壁を掴んでなんとかリビングに戻ったけどすぐに力が抜けて床に倒れ込んだ

ﾄﾞｻｯ

「………………ｯ……………ﾊｧｯﾊｧｯ…………ﾊｧﾊｧｯ」

あぁ、俺死ぬんだ

薄れていく意識の中で俺は携帯を開いた

1月…………俺の記事が出たあの日から何も送られていないトーク画面

スノーマンというグループ名の横には(9)の表示

俺も………スノーマンだったんだなぁ……………

「みんな迷惑かけてごめん」

そう送って俺は意識を手放した