桜の咲く頃に Ⅱ (ページ16)

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ゼロページ16

〈深澤side〉

……5分

……10分

何分待ってもあいつのくる気配はなかった

みんなが苛立っているのが分かる

正直俺も苛立ちを隠せなかった

こんな大事な日に………

みんな佐久間のために…気持ちを新たにする覚悟でこの場所にいるのに…………

あいつは何をしてるんだ…………

段々とあいつはスノーマンが別に大事ではないんじゃないかと思い始めた

別にスノーマンじゃなくてもあいつは生きていけるんじゃないか……そう思った

ただの被害妄想かもしれないけど、一度考え始めたらどんどんと悪い方向に思考が傾いてしまった

15分が経過しようとしていた時、携帯が鳴った

そこには「佐久間」の表示

出るのを少し躊躇った、でも出ないと話が進まないそう思って出た

深澤「……はい」

佐久間「ふっか……ｯごめんなさい………！あの…今から…」

今から……？今から向かう？こいつは何を言ってんだ？

もう15分経ってんだぞ？なんで許されると思ってるんだ？

深澤「もう、いいよ」

俺の中で佐久間に対する思いが消えていくのが分かった

佐久間「えっ………？」

深澤「………佐久間はスノーマンに必要ない」

そう言い捨てて通話を切った。

通話を切ったあと少し後悔した、事情も聞かずに切るなんてダメだとわかっていた

でも「佐久間はスノーマンが大事じゃない」そう自分に言い聞かせた