＊ルーク・ハントの独白 ページ21
ムシューの口から出た言葉を認識するとともに肩の力が抜けてしまった。
「どおりで今日は寂しいはずだ。」
そう言えば今日はトリックスターの姿が見られなかったと言われて初めて気が付いたのが少し悔しい。
昨日、最後に会った時に感じた違和感を放置していた自分が憎たらしい。
目を見開いたまま動けずにいると、隣のヴィルが床を蹴りつけた。
＿ダァン！
あまりにも大きな音だったので、心配になり毒の君を見ると＿
「おーらら。毒の君、ハンカチを。」
彼は大粒の涙を惜しみなく流していた。
トリックスターの為に流す涙はとても美しい。
＿あぁ、なんと勿体ない。
そう思いハンカチを差し出すが、断られてしまった。
ヴィルらしくないその反応で分かる。
トリックスターがどんなに愛されていたのか。
あぁ、勿論私も愛していたよ。
トリックスター、君はとても美しかった。
例えるならば、君は太陽だ。
時に目を覆いたくなるほどに眩しく私たちを照らし、時に優しい零れ日のような温もりを周りに与えていた。
居なくなると、こんなにも暗くなってしまう。
憎い時があれど、二度と会えないとなると焦がれて仕方がない。
あぁ、君は本当に太陽だったんだね。
私の両眼からも涙が溢れて止まらない。
『ルーク先輩、何してるんすか―？』
木に登って獅子の君を観察していると、下方から声がした。
その方向を見ると、君は眩しいほどの笑みを浮かべていたね。
その後スイスイ木を上ってきてしまうから驚いたさ。
『え、ルーク先輩ストーカーの才能有りますよ。それを悪戯に活かしませんか！？』
『ふふふ。トリックスターは面白いね。』
『ちょっと、仕返ししたいやつがおりまして。勧誘ですよ。』
『その復讐心、美しい！ボーテ！！』
その日は、獅子の君の事を忘れ、２人で楽しい時間を過ごした。
君はこの学園には相応しくないほどに純粋で、真っすぐで…
かと思えばこの学園で生き抜けるほどに、強かで、計算高くて…
まさにトリックスターだ。
いつも新しい一面を見せてくれる。
そんな君はとても興味深くて、愛おしくて…
あぁ、君は最高の友人であり、狩人であり、獲物だ。
「トリックスターいや、Aくん。君は最後まで素晴らしい。」
私の狩人の本能をここまでくすぐるとは。
やはり君は面白い。
私はハンター。
獲物である君を探すためなら、世界の壁など軽く超えて見せよう。
＊エペル・フェルミエの独白→←＊ヴィル・シェーンハイトの独白
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檸檬 - あ、あのぉ。ぞ、続編ってどうしたら見れますかねぇ.....?芋けんぴ様さえよければパスワードを教えてもらいたいのですが... (11月4日 21時) (
レス) @page42 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 初めまして！とても楽しく読ませて頂きました、素敵な作品をありがとうございます！ 続編？も読みたいのですが…公開はする予定はありますか？とても気になります… (2023年2月2日 8時) (レス) @page42 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 美南さん» 美南様、コメントおよびご指摘ありがとうございます。文字数の都合上、「この世の終わり」と表現させていただきました！！そうですね…皆様の涙腺を破壊してしまったみたいで…反省してます…。ティッシュ贈呈でどうでしょう？笑 (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - まあゆひやさん» まあゆひや様、コメントありがとうございます！お返事遅くなってしまい申し訳ありませんでした…。独白、読んでくださりありがとうございました！ (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - Ｒ−アル−さん» のりまーす！！のりますよ？？ (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芋けんぴ | 作成日時：2021年3月3日 0時
