＊レオナ・キングスカラーの独白 ページ12
「っち。ふざけんじゃねぇぞ！！クソ烏！」
クロウリーの口から
『監督生さんが突然元の世界へ帰ってしまいました。』
と出た瞬間、最初に感じたのは怒りだった。
あの草食動物、誰の許可を得て勝手に帰ってやがる。
昨日のあの言葉もそれでか？
あ？
この俺様があれだけで満足すると思ったのか？
気が付けば俺はクロウリーの胸倉を掴んでいた。
クロウリーの仮面の内側の目と目が合う。
「ふ、ふざけてなんていませんが？」
その声を聞いてクソ烏を掴んでいる手が緩む。
そのまま足に力が入らなくなり、後ずさる。
「レオナさん、大丈夫っすか？」
いつの間にかラギーのいたところまで戻っていた俺は、ラギーに支えられてようやく立てていた。
ラギーだってどの口が言ってんだ。
お前、涙と鼻水で顔ぐっしゃぐしゃじゃねーか。
「大丈夫に決まってんだろ。あんな草食動物１匹…いなくなったくらいで…。」
そう言って、自分の耳が垂れているのを自覚する。
尻尾だって力が入らねぇ。
っち。お前のせいだ。
草食動物の分際で、俺を怖がらないのが悪い。
俺にもまっすぐ意見言ってくるのが悪い。
気が付けば俺の縄張りに入ってくるのが悪い。
いるのが当たり前になってくるくらい関わってきたお前が悪い。
『私は嫌いじゃないですよ。レオナ先輩の手。』
アイツの声がフラッシュバックする。
その言葉を聞いた瞬間、救いようのない馬鹿だと思った。
俺がオーバブロットした時、お前が握ったその手でお前に何をした？
魔法の使えない弱者のお前に何を植え付けた？
砂にされる恐怖、皮膚が割れていく痛み
それだけだろ。
何故俺の手を平気で握れる。
何故俺の手が嫌いじゃないと言える。
馬鹿だ。
この手を握るお前も、それを悪くないと感じた俺も。
居なくなるんだったら、最初から関わってくるんじゃねぇ。
虚しくなるだけじゃなぇか。
結局俺の手に残るものは無いんだ。
俺はどうしようもない喪失感に襲われた。
でも、滑稽なことにこんな時でも思い浮かんだのは
『レオナ先輩やればできるんですから頑張りましょうよ。見返してやりたいとか思わないんですか？…え、アンタそれで諦めるタマですか？だっせー。』
なんて、馬鹿にしながらも俺を支えたお前の言葉で
もしまた会うことがあった時に腑抜けてたら笑われることは明白で
あんな草食動物に笑われてたまるかと思い、手に力が入るのは事実で。
「っち。クソが。」
A、次会うことがあったら覚えてろ。
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檸檬 - あ、あのぉ。ぞ、続編ってどうしたら見れますかねぇ.....?芋けんぴ様さえよければパスワードを教えてもらいたいのですが... (11月4日 21時) (
レス) @page42 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 初めまして！とても楽しく読ませて頂きました、素敵な作品をありがとうございます！ 続編？も読みたいのですが…公開はする予定はありますか？とても気になります… (2023年2月2日 8時) (レス) @page42 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 美南さん» 美南様、コメントおよびご指摘ありがとうございます。文字数の都合上、「この世の終わり」と表現させていただきました！！そうですね…皆様の涙腺を破壊してしまったみたいで…反省してます…。ティッシュ贈呈でどうでしょう？笑 (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - まあゆひやさん» まあゆひや様、コメントありがとうございます！お返事遅くなってしまい申し訳ありませんでした…。独白、読んでくださりありがとうございました！ (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - Ｒ−アル−さん» のりまーす！！のりますよ？？ (2021年8月11日 9時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芋けんぴ | 作成日時：2021年3月3日 0時
