夢の韓国旅行・3 (ページ5)

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5.二人の時間 ~YC~ ページ5

オフの間でも、Aが仕事に行ってる間は事務所に呼ばれてミーティングしたり、ダンスの練習やボイストレーニングをしていた。

今日は何にも予定がない日。

Aとも最後に過ごす日だけど、ちょっとオンマの所に寄ってみようかな。

「あらっ、ユチョニ～っ！
もう帰ってきたの？1週間じゃなくて？」

パタパタと嬉しそうに走ってきた。

「うん、ちょっとオンマの顔見たくなってさ。
明日にちゃんと帰るよ？」

「ふうぅ～～ん…」

ニヤニヤして俺を上から下まで見る。

「な、何っ？」

「別に～？なぁ～んかホッペがツヤツヤしてるようだけど、楽しそうなら何よりよ」

うっ。

「ちゃんと！帰ったらゆっくり話すからっ！」

「はいはい、ゆっくり聞きますとも？」

少しだけオンマの顔を見て安心した。

何も聞かなくてもオンマは分かってくれてる。

きっとAの事も気に入ってくれるはずだ。
娘が欲しかったしね。

すると、Aから電話がきた。

早く仕事が終わったから、迎えに行く事にした。

「あら、もう行くの？」

「あぁオンマ、また明日ね！」

ニヤニヤしてるオンマを背に俺はAを迎えに行った。

まだ昼前。
特に行ける所もないし、Aがペンションに戻りたいと言ってくれて内心ホッとした。

急遽、ヨンジュンさんに頼んだキンパを食べ終えて、コーヒーを飲みながら午後の昼下がりをゆっくり過ごす…。

こんな時間は久しぶりだ。

「あっ！ユチョン、あそこで少し遊ばない？」

「お、いいね！」

嬉しそうにプレイルームに入ってくAは、まるで子供みたいにはしゃいでる。

ぷっ。ハングルが読めなくて首を傾げてるし。

ゲームも本もDVDも全部ハングルだし、ここはピアノしか無いじゃん笑。

ピアノ自体に久しく触ってない気がしたから、なんとなく弾きたい衝動にかられた。

「なんか歌おっか？」

そう言うと、目を輝かせ近くに駆け寄ってきた。

「うんっ！歌って！」

日本で歌ってた「最愛」。

これならAも分かるだろうと歌い始めた。

Aへの愛も込めながら…。

改めて歌うと、少し胸が熱くなってジーンときてしまった。
って、横に見たらすげー泣いてるし笑

ホント素直っていうか、感受性が豊かっていうか…。俺も人のこと言えないけど。

でもこういう所が好きなんだけど。

涙を片手で必死に拭っているAの手をぐいっと引っ張り、俺の隣に座らせた。

もう1曲聴いて欲しくて。