夢の韓国旅行 (ページ30)

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30.一時のお別れページ30

ホテルに着く頃、ユキから着信があった。
ユキとの待ち合わせ時間はもうすぐだった。

「あー、A？あと30分くらいかかるかも！ごめーん！」

「大丈夫だよ。鍵持ってるのあたしだし、部屋で荷物まとめてるから、着いたら連絡して？」

電話を切って少し喜んだ。
あと30分、ユチョンといられる。

「ユキ少し遅れるって」

「じゃあ、部屋まで行っていい？」

同じ気持ちだ、嬉しい。

ユチョンは車をホテルに停めて、一緒に部屋に入った。

ドアを閉めるとユチョンが後ろから抱きしめてくれた。
私もユチョンの方を向いて抱きしめた。

そして、キス…

今までよりもずっと愛を感じる、長くて深いキス。
この柔らかな唇の感触を忘れたくない。

長い時間、ずっとキスしてた。
途中でお互い笑ったり、唇を吸い合ったり…。

唇を離すと、少しヒリヒリした。

「明日、熱いの食べられなそう」

唇を親指で触りながらユチョンが言う。

「たらこ唇だね (笑)」

「タラコクチビル？」

ユチョンが唇を尖らせて聞いてきた。

もー、その顔があまりにも可愛くて、もう1回抱きしめて私からキスをした。

「ユチョン、あたしの顔忘れないでね」

「うん。あ、二人の写真撮ろう！」

ユチョンが携帯を出して、二人はカメラを見る。

「はい、キームーチー！」

撮り終わると、ユチョンがつけていたネックレスを外して私に差し出した。

「俺の代わりに日本に連れて行って」

シンプルなトップが付いてるシルバーのチェーンを、私の首にかけてくれた。

「じゃあ、あたしも韓国に置いていく」

小さなイニシャルのトップのゴールドチェーンをユチョンにつける。

「毎日付けるから」

ユチョンがイニシャルに触れながら、言ってくれた。

ユキからのホテルに着いたとLINEが来る。

もう一度抱きしめて、キスをする。

「やっぱり口痛いね(笑)」

二人で笑う。

「じゃあ、ユチョン。またすぐ連絡するから」

「うん、俺も。すぐに連絡する」

つないだ手をなかなか外せないでいた。

ゆっくりほどきながら、惜しむように離れてユチョンは部屋を出て行った…。

ユキが部屋に入ってきて、私に抱きつく。

「えっ？ちょっと！ユキどうしたっ？」

「うえ～ん！！ミンジュンにもう会いたい～っ！」

ユキも同じように辛いんだね。

「あたしも～っ！ユチョーーンっ！！」

我慢してた涙が、一気にあふれた。
こういう時こそ、友達の存在がありがたくて、また涙が出た。