22.自己嫌悪 ページ22
ユチョンといるとすごく楽。
ユチョンが私の気持ちを察してくれて、先に言ってくれる。
甘えちゃだめなのに、甘えさせてくれる。
でも、いつまでも甘えてばっかりじゃだめだよね。
「じゃあ今日は俺とずっと一緒にいるってことだよね?」
「うん!夜までずっと一緒だよ!やったね!」
なぜかユチョンは吹き出したけど、私は自分でも気持ちを精一杯伝えたかったんだ。
でも言った後、「やったね!」は余計だった気がして、恥ずかしくなってポットでお湯を沸かし始めた。
「ユ、ユチョン、コーヒー飲む?」
「うん、ちょうだい。」
インスタントコーヒーだけど、少し二日酔い気味の体には美味しかった。
コーヒーをすすりながらユチョンが言った。
「今日、ドライブ行こう!観光客はなかなか行けない穴場があるし、いい場所があるんだ」
「いいね!そういう所に行ってみたい!」
「じゃ、決まり!今から車取りに家に戻るから、その間出かける準備してて。
シャワーとか浴びたいでしょ?」
ほら、また。
そうやって私の言いにくいことを先に言ってくれる。
ますます好きになっちゃったよ。
「ありがとう。ユチョンはシャワー浴びてく?
あ、でも着替えないか…」
私は気が利いたことが言えない。
「大丈夫だよ。Aは自分の準備してて?荷造りとか今のうちに少しでもしてたほうが、夜は長く一緒にいられるでしょ?」
そうきたか!そうだよ、私のバカ!!
時間の使い方も上手にできないなんて、あ〜、バカバカバカ!!
「う、うん…、ありがと。
ユチョンに気を遣わせてごめんね…」
ユチョンから目を逸らした。
自分の気の回らなさが恥ずかしくて自己嫌悪。
すると、急にユチョンが近づいてきて、両手を私の頬にあててきた。
「俺は全然気を遣ってなんかないよ?Aといるとすごく楽だし。
前にも言ったけど、思った事正直に言っちゃうから気にしないで?
Aも何でも俺に言ってよ」
優しい笑顔。
そして頭をポンポンしてくれた。
うぅぅ〜〜〜っっ!!
キュンキュンが止まらない!
「あ〜、もう!本当に好きっ!!」
そう言って思わずユチョンに抱きついちゃった。
その勢いで二人はベッドに倒れる。
顔を合わせて、フフって笑って見つめ合う。
「俺はその何倍もAが好き」
そう言ってキスをしてくれた。
コーヒーのほろ苦い味が伝わり、私の苦い自己嫌悪もユチョンのキスで緩和された。
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作者名:いもたろ | 作成日時:2014年9月11日 14時