20. 3日目の朝 ページ20
プルルルルル…
「ん〜……」
携帯の着信音で目が覚めた。
ユキからだった。
私はガバッと起き上がって、通話ボタンを押す前に、ちらっとユチョンを見た。
背中を向けているけど、寝息を立ててまだ寝ているようだ。
少しホッとして、私はバスルームに急いで入り電話を取った。
「もしもし？」
「あーっ！Aっ！大丈夫？ねぇ、今どこ？」
「今、あたしたちのホテルだよ。ユキこそ大丈夫だった？？
ミンジュンさんとこに泊まったんだよね？」
「そうなの！ビックリしたんだよ〜！
昨日の夜気付いたらミンジュンさんと一緒で、A達いなくてさ〜！
でもミンジュンさんが大丈夫だって言うし、あたしも酔っ払ってたから…！ごめんねー！」
「いやいや、無事なら良かった〜！
…で、ミンジュンさんとどうだったの？」
ニヤニヤしながら聞いた。
「えっ？どうって〜、そりゃぁ…ねぇ？
それはもう〜、あれよ？
っていうか、Aはどうなのよっ？」
電話の向こうのユキも絶対にやけてるはず。
「やましいことはありません！」
「つまーんないのー！笑
ねぇ、今日どうする？」
チクっと胸が痛んだ。
今日で韓国旅行は終わり。
明日の朝になれば、バスが迎えに来て空港まで直行。
ユチョンと会えるのも今日が最後だけど、ユキとの旅行だからワガママは言えないよね。
「あー…、ん、どうしようね？今日の予定、あんまり決めてなかったね」
「今ユチョンさんいるんだよね？」
「うん、まだ寝てる」
「じゃあさ…、今日でミンジュンさん…じゃなくて観光も最後だしぃ、それぞれ別行動しない？夜まで。どうかな？」
ニヤけた顔が戻らない。
お互いが望んでるなら、そうする事が最善だよね。
「ユキ、うんっ！んじゃ、そうしよう！
何かあったらすぐ連絡取り合おう！」
ニヤニヤしながら電話を切って、バスルームから出た。
すると、
「おはよ、なんかいい事あった？」
ユチョンが起きて、私のニヤけ顔を見て笑ってる。
「あ、おはよう！
あのね、実はユキから電話があって、今日で最後だしユキはミンジュンさんと過ごすから、別行動しようって事になって…」
なんかモジモジしてしまう。
ハッキリと今日は私と一緒に過ごしてって、言えない。
こんな自分が時々すごく嫌になる。
「じゃあ今日は俺とずっと一緒にいるってことだよね？」
パァッと笑顔になる私を見て、ユチョンは吹き出す。
「分かりやすっ!!」
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作者名：いもたろ | 作成日時：2014年9月11日 14時
