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な、何だこの光景なんて思いながらニコニコととりあえず笑っておく。意味分からないけど笑っておけばなんとかなるでしょ。なんて思いながら。そう思っていると泣き出したフィンがマッシュくんのにしがみつき出した。
「あ〜っ!怖かった〜!ありがとうマッシュくん」
「いいってことよ」
「マッシュくん」
「ん?」
真剣な様子のレモンちゃんを見て急いでフィンをマッシュくんから剥がす。
『あー、もー。ほら泣かないの。ほらこれ、ハンカチ』
「ありがとう〜!フェル〜!」
『はいはい』
相変わらず泣き虫だなぁなんて思いながらも僕もマッシュくんにお礼言わないとなんて思う。なんかレモンちゃんに殴られてるんだよなぁなんて思いながら彼のローブの裾をクイクイっと引っ張った。なんか、こう正面から言うの恥ずかしいななんて思いながら一瞬ちらりと彼の目を見るがなんか視線合わせるの恥ずかしいっ!となり逸らす。
『その、助けてくれて、ありがと…』
「お礼なんてなくていいよ。だって…Aくんが傷つけられてるの見て僕が嫌だっただけだから」
そう言いながら僕のおでこにチュッとキスを落とした。一瞬思考が停止するが高速で回転しだしキスされたということに気づく。おでこを抑えながら急いで後ろに下がる。
『な、ななななななな、何するのこの変態っ!』
「え…おでこにキスしただけだけど…」
『き、ききききききキスだなんて!!このド変態!ケダモノ!狼!すけべ!!!』
顔を真っ赤にしながらそう叫ぶとマッシュくんはガーンと固まっていた。僕のせいじゃないもんなんて思いながらフイっと顔を背ける。変なことしてきたマッシュくんが悪いなんて思っていると顔面がめり込んでいるドットくんが現れた。
「俺も…俺も頑張った」
「あっ…ドットくん」
「ドットくんだ!」
「ドットくん」
『ドットくんじゃん』
地面を這ってるとかその辺は気にしないでおこうなんて思っているとまた再びあの「「わ〜い!わ〜い!」」が始まった。
「そういえばランスくんは?」
『「え?」』
フィンの言葉に一瞬場が静まり返る。確かにランスくんだけが見当たらない。ランスくんに限って負けるなんて想定できないと考える。しかし、再び始まった喜びの舞のようなものに参加する。
『「わ〜い!わ〜い!わ〜い!わ〜い!主役主役主役主役!」』
「ヒロインヒロイン アイアムヒロイン!ユアヒーロー?」
「オーイエー」
『「わ〜い わ〜い!」』
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作者名:しろねこのみみ | 作成日時:2024年3月17日 12時