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手は無意識に杖を離し力の入らなくなった足は身体を支えられなくなりその場でへたり込むように座り込んでしまった。ハッとした瞬間には遅くマッシュくんが完全に人形になってしまっていた。マッシュくんから級硬貨を奪うためか彼のローブに手を入れた。このままじゃ…!なんて思うが先程の記憶が思い起こされては上手く頭が回らない。


「なんだこれは」


アベルがシュークリームを持ったことによりマッシュくんが彼の顎目掛けて殴りを入れた。そして彼の魔法が解けた。


「ハッ!なぜ懐に隠してた僕のシュークリームがここに…」


相変わらず懐に直でシュークリーム入れてるんだよなぁ…不衛生だから辞めなって言ったのにっ!と思いながらもでも入ってたことによって魔法が解かれたのならば結果オーライなんて思う。まぁ…だとしても…


『そんなにシュークリーム取られるの嫌なの…?』


まぁ、マッシュくんらしいといえばマッシュくんらしいのだが


「この世が弱肉強食であるのならば奪われることに抵抗するのもまた当然。いいだろう認めてあげよう。僕は人形から魔力を抽出できるんだ。抽出した魔力は僕が利用できる。先程のあの子に使っていたのも1部人形化させることによって少しずつ魔力の抽出をしていたんだ。それもまた僕が利用できる。最強の呪文で君を潰そう。」


アベルがそう言うと銀色のような手みたいなのがマッシュくんを襲う。ギリギリのところでマッシュくんは避けられたもののあれは相当やばい。


「マリオネスセコンズ ハーム・パペット」


現れたそれは顔が3つある…ん?顔が3つ…???


『ぎゃああああああ!可愛くないっ!てかめっちゃ怖いんだけどっ!!!』
「確かに、Aくんみたいに可愛らしさは見当たらないね」
『だよね!そうだよ…ね?え、は!?ちょ、今なんて!!?』


マッシュくんからなんかすごい言葉聞こえたような気がするんだけどと思いながら目を丸くさせる。とりあえず思うのが虫と人形の合成系みたいですんごい気持ち悪い。てかガチめに可愛さなくて本当に嫌っ!なんなら鳴き声も可愛くないんだけどっ!!!なんて内心叫び倒していた。


「ハーム・パペットは半径100メートルを人形化させる。人形化は糸に体がついてからノータイムで始まる。もちろん糸は君たちには視認できない」


つまり僕までも糸が絡みついて人形化されるということなのだろう。何より怖いのが今は意識がないフィンまでも巻き込まれてしまうこと。

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作者名:しろねこのみみ | 作成日時:2024年3月17日 12時

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