天使は夢を紡ぐ II（男主）【MASHLE】 (ページ48)

今日:4 hit、昨日:44 hit、合計:10,149 hit

マッシュくんと危険すぎるあっち向いてホイページ48

「なぜトレーニングをするのか。始まりはじいちゃんに言われたからでした。最初は重いし疲れるし、すごく嫌でした。でも嫌々やってるうちに持てる重りが増えてきて…今では胸を張って言うことができます。僕が筋トレをする理由。それは…そこにダンベルがあるから…ですかね」

唐突に始まるマッシュくんの語りにバイオリンを奏でる謎のドットくん。
そのままマッシュくんは言葉を続けるように連ねていた。

「なぜ人間に腕が付いているか知ってますか？それはダンベルを持つためです。なぜ人間に脚が付いてるか知ってますか？それはバーベルを…」

ちなみにこれを誰も聞いてない。なのになんか一人で語りだしている。

「なぜ重たい女であり続けるのか」
『2人目始まった！』
「最初は全然重たくなかったんですよ私。でも次第に相手の行動に一喜一憂するようになって…そんな私が重たい女であり続ける理由があるとすれば、それは…そこに好きな人がいるから…ですかね。フフ…」

なんだ？このムダに流れていく時間は…そう思いながら一人で笑っているレモンちゃんを見つめる。
かと思ったら次の瞬間ドットくんとレモンちゃんが立ち上がり踊り…だし…た？

「僕じゃお相手ダメですか〜」
「ダメで〜す」

帰りたい…

「そこをどうにか」
「いたしませ〜ん」
「うわあああ！フラれた〜！」

ドットくんとレモンちゃんの寸劇？が終わりドットくんが悔しそうに床に膝を着いて泣いているとマッシュくんが持っていた目覚まし時計が音を立てて鳴り響いた。

「あっ」

そういうと彼は持っていた自作プロテインを飲み始めた。
みんなマイペースすぎる…
というかフェルは一体どこに行ったんだろう…さっきからずっと姿が見当たらないし…

「筋肉に栄養を与える。それも立派なトレーニングなんです」
「感心だね」

突然聞こえた声に驚きながら声のした方へと振り返る。するとその人は机の上に腰をかけていた。

「殊勝な心がけだ、僕も見習いたいね」
『いつの間に…』
「あっ。この前いじめてきた神覚者の人」

マッシュくんの言葉にこの人も神覚者なのかと思う。
確かに音も立てずに入ってくるあたり神覚者っぽいと納得をする。にしても…

「なんで神覚者の立場にある方がここに…」
「僕は君に興味があってね。少しゲームでもしないかい？次の試験までまだ時間もあることだし」

神覚者の方の言葉に緊張感が走る。