天使は夢を紡ぐ II（男主）【MASHLE】 (ページ43)

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マッシュくんと内部進学同率1位の少年ページ43

僕が泣きている間に起こったことを軽く説明すると杖の影響で傷が全てマッシュくんに備わりながらも連打で殴りを入れることでカルパッチョの背後にあった女神像にヒビを入れていた。

以前カルパッチョと戦ったことがある僕はそんなことに気づかなかった。
そう思いながら泣き腫らした目でマッシュくんとカルパッチョの戦いを見つめる。
女神像の鳴き声と共にカルパッチョが後ろに下がり膝を着いていた。

「もちろん、僕のほうが君より100万倍強いんだけど…それが分かったときフィンくんみたいに君は僕に立ち向かえるかな？」

マッシュくんの言葉に頬が緩む。彼は本当に僕の期待を裏切ってくる。カルパッチョなんかよりも強いのは僕だってわかってる。のに少しの心配も君は吹き飛ばしてしまうんだ。

女神像が覚醒したのか目元を覆っていた包帯が外れて青かった肌が赤くなり4本に増えたその腕は筋肉質になっていた。
明らかに勝てっこないなんて昔の僕ならば思っていただろう。
でも、でもきっとマッシュくんならば大丈夫。
なんて安心していると何かの魔力を察知した。

『っ…え…？』

観客席が目の前に映し出されている戦いに集中している中僕は後ろを振り向く。
嫌な、嫌な予感がする。
誰かが僕を呼んでいるような…
そう思いながら僕は無意識にレモンちゃんの隣から離れる。何かを無意識に追うような感覚に少しばかり恐怖が湧いてくる。

そんな僕の後ろでは鉄の杖を手の力で変形させ、テニスラケットを作り出したマッシュくんがテニスの壁打ちの容量で女神像を倒していた。