フィンと守りたいもの ページ40
全員が炎に包まれたと思ったら全員が違う場所に飛ばされた。
え?違う、場所、??
『チーム戦の意味っ!!!!そして本当にこれ絶対絶命じゃんっ!!!!!だぁーーーー!もうどーすればいいってんだよっ!!!!』
もう僕予測するの辞めようかな…??
一通り叫んでから恐る恐る鏡を見る。見るのが怖い。とてつもなく怖いなんて思っているとそこにはフィンが映し出されていた。
しかも運が悪くカルパッチョを見つけてしまったらしい。
ナイフを自分に刺して捏ねくり回している状況を見て奥歯を噛む。何とか自分を落ち着かせようと深呼吸をしてから再び鏡を見つめる。
音を立てて黄色の水晶を割ったカルパッチョに寒気がする。
もし、もしもこのままフィンが…いや考えるのはやめよう。そんなこと起きるはずがない。
そう思っているとフィンは気配を消してカルパッチョがいなくなるのを待つことを選んだらしい。しかしそんな努力もおしくフィンの後ろにはカルパッチョがいた。
「何してるの?」
「僕は壁ですが…」
フィンが振り向くとカルパッチョの魔法が自動で開始されたか女神像が天使の羽のようなものを広げてカルパッチョの後ろに現れた。
「面白いね君」
カルパッチョの言葉とフィンの置かれた状況に酷く焦りを感じる。これは最悪なパターン選んでしまったのかもしれない。青色の水晶はフィンの持っている1個だけ。そんなフィンがカルパッチョと対峙してしまったのだ。実力だと僕とほぼ同等。いや、固有魔法を使わなくなった僕よりも圧倒的に強いのだろう。
「君 フィン・エイムズじゃないか。内部進学ボーダーギリギリの」
カルパッチョがフィンの名前を出したことに驚いたが理由を知って何となく納得をしてしまう。
良かった良かった。変に僕のせいじゃな…
「あと、あのA・アラストがよく気にかけていたよ。あのウザったい優等生気取りのカスが…」
カルパッチョっ!!!お前っ!僕のフラグ高速で回収しないで!!?
「よく覚えている。なんでこんなヤツがイーストンにって…挙句の果てにはアイツに気に入られてるんだって…そんな君が神覚者選抜試験とは。兄貴のコネか?それともアイツと代わってもらったのか?僕はひたすらに不快に感じるんだ。君みたいな才能ないゴミを見るとね。渡せよその水晶。ふさわしくないだろうお前みたいなヤツは」
一通り御託を並べたカルパッチョは更に威圧感を強める。
昔のように気弱なフィンならば渡すかもしれない。
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作者名:しろねこのみみ | 作成日時:2024年3月17日 12時