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とりあえず、マッシュくんのところは1個だけ鍵を手に入れたのかと安心するように一息ついてから鏡を見るとそこには宙に浮いた風船を固有魔法で空気を急激に送り込み破裂させたランスくんがいた。
クソっ…あのイケメンピアスめ…あいつもしれっとクリアしやがってと恨み言を脳内で流しながら険しい顔をする。
「うらあ〜!」
突如聞こえた大声に何事が思っていると次はドットくんが鍵を入手しているようだった。
確かに彼の固有魔法はもともと音が鳴るし何より炎熱系の爆発…相性がいいなと思ったら彼は死霊に追いかけられていた。その後も続々と鍵を入手する生徒が多くなったことにより僕は少し焦りを感じていた。
『残りの枠組みが少なくなってる…フィン大丈夫かな…?』
なんて呟いているとフィンが映し出された。
そこにいたフィンは小さく縮こまり泣きながら震えていた。
分かってたけど!分かっていたけれども!やっぱり僕も参加した方が…
「おめえ…」
「ひい〜っ!襲わないで殴らないで痛いのは嫌なんですごめんなさい…」
「大丈夫か?フィン」
聞き覚えのある声にホッと一安心する。
多分これでフィンもクリアできそうだと思いながらも血が流れているドットくんとフィン、2人の無事を祈るように見ていた。
すると他の場所ではマッシュくんとそんな彼に協力した先輩が話合いをしているのが写った。どうやらマッシュくんが渡そうとした鍵を先輩は断りマッシュくんを優先させてくれたらしい。
そんな彼らの出来事にほっとしていたつかの間先輩が映し出された鏡の中に知った顔が写った。
『っ…あいつ…』
「わ!ちょっとなんですか〜?」
カルパッチョ・ローヤン。僕と同じ内部進学組同率1位の彼が出てきたことにより彼のすることが何となく分かった僕はレモンちゃんの目を塞いだ。
彼女には見せてはならない。多分これから相当痛々しい場面が映し出されるかもしれないから。
『ごめん、ただ…これだけは見せられそうにない…』
下を見るとマッシュくんが扉からでてきた。その事に安心したのかレモンちゃんの目を覆っていた手の力を緩めてしまう。
そのまま視線をマッシュくんの方に流していると傷だらけのドットくんとフィンも目に入った。
てか普通に2人ともよく失格にならずにボロボロ状態で帰ってきたね。
『逆にすごいって』
安心のような逆に関心のような呆れのような複雑な感情をグルグルと回していると扉が開く音がした。
そして入ってきたのは先輩だった
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作者名:しろねこのみみ | 作成日時:2024年3月17日 12時