マッシュくんと一次試験 ページ35
とは言ったもののやっぱり不安なものは不安だ。
そう思っていると放送のようなものが耳に入った。
「さあ、最後に入場するのは…アドラ寮、マッシュ・バーンデッド！」
大々的に紹介されたマッシュくんの名前に下げていた視線を上げて下のグラウンドのような場所を見つめる。
するとマッシュくんに向けての言葉が耳に来る。
「おい、あのマッシュっての魔法が使えないってウワサのヤツじゃね？」
「もしそれが本当なら選抜試験に出るなんて前代未聞なんじゃ…」
「ここはお前のいる場所じゃねえ！」
「帰れ！」
マッシュくんに向けての言葉が本格的に彼に降りかかる。挙句の果てには帰れコールが始まってしまった。
この状況下に非常に苦痛を覚える。何も知らないこいつらは…と思いながら怒りを抑える。
マッシュくんは帰りたくても帰れない状況なのだからここで引き下がれないから。なんて自分を落ち着かせるために言い聞かせた。
「アドラ、レアン、オルカ各寮から代表者全12名が出そろいました。それでは早速いきましょう！」
実況者というか司会者らしい女子生徒の声に本格的に始まってしまったのかと思う。
そのまま説明を聞いていた。
どうやらステージに隠された風船の中の鍵を手に入れるらしい。何より大事なのは3人の死霊がいるらしい。
こ、これ…本当にフィン大丈夫…なの？？
そう思いながら彼の様子を見てみると…
「無理いいいいい！」
泣いていた。
僕もこれ見てられないっ！！！なんて思いながらそっと鏡映し出された参加者を見ていた。
すると1人が脱落し空から飛んできた。
『…これどう逃げて鍵を入手するかが大事だね…何よりも…何かしら法則はある』
「そうなんですか？」
『試験となるとそうなるね。あくまで模範的な攻略方法があるものを試験とする。それが通常だろ…は？』
レモンちゃんに軽く説明をしているとマッシュくんが死霊に殴りを入れた。なんなら死霊はダウンしてるっぽい…なんておもった瞬間起き上がった。
『ガチの化け物じゃん…こっわ…』
遠い目で鏡を見つめながらそっととあることを思いついた。
『これ…死霊はただいるだけじゃ意味が無いよね？』
「まぁ…確かにそうですね」
『…つまり死霊は鍵を守ってる。端的に言うと死霊がいる場所に鍵があるんだよ』
「そうなんですね！」
レモンちゃんに説明をして鏡を見た瞬間目を開いた。
そこには…何故か体が斜めに傾いているマッシュくんがいた。
いや、どういう状況？
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作者名：しろねこのみみ | 作成日時：2024年3月17日 12時
